なお５万戸超が停電＝中部電、１７日にほぼ復旧－台風１９号

台風１９号の爪痕は１４日も残った。経済産業省によると、１４日午後９時時点の停電戸数は東京電力ホールディングス、中部電力、東北電力の管内で計約５万２８５０戸。各社が復旧作業を急いだ結果、ピーク時（全国約５２万戸）より大幅に減少し、２０日までにほぼ復旧する見通しだ。ただ、冠水や土砂崩れが起きた地域では作業が難航しており、停電の長期化を余儀なくされそうだ。

中部電は当初、千曲川が氾濫した地域を除いて１９日にほぼ復旧することを目指すとしていたが、１７日に前倒しした。停電状況の把握が進んだためという。東電管内の千葉県では１４日も他の電力会社の作業員が相次いで到着し、送電線の修復などを進めた。２０日までのおおむね復旧を目指す東電は「天候次第だが、何とか間に合いそうだ」と強調した。

ただ、冠水被害の大きい地域などでは、作業が進んでいないケースも多い。東北電によると、管内で復旧の見通しが立たない戸数は１４日午後４時時点で約３１００戸に上るという。

台風の影響は物流などでも残った。ヤマト運輸では、長野県などで運送車両や預かった荷物が浸水被害を受けた。河川の氾濫や道路規制の影響で、東北、関東、信越地方の一部地域での集配を停止した。

ＪＲ東日本では、長野新幹線車両センター（長野市）で浸水した北陸新幹線１０編成１２０両について、周辺の水が引かず、詳しい被害を確認できない状況が続いた。全体の３分の１に当たる車両数のため、修理が必要な場合、全線の運転再開後のダイヤなどにも影響が出そうだ。

一方、トヨタ自動車は、従業員の安全などを考慮して１２日にグループ３工場（岐阜、三重、福岡県）の操業を停止したが、１４日は全工場で予定通り操業。１５日も通常通りの操業を決めた。

【時事通信社】 〔写真説明〕傾いた電柱の下を歩く男性ら＝１４日午後、宮城県丸森町

2019年10月15日 00時04分

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