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米朝交渉遠のく再開=大統領選、新型肺炎も影響―ハノイ会談から1年



【ワシントン、ソウル時事】トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長がハノイで行った2回目の米朝首脳会談から27日で1年。会談が物別れに終わって以降、非核化をめぐる米朝協議は停滞したままだ。トランプ氏は11月の米大統領選の再選に注力する一方、北朝鮮は新型コロナウイルスの感染拡大防止の対応に追われており、双方ともに交渉を再開する気配は見えていない。

◇トランプ氏、薄れる関心

昨年2月27、28両日に行われたハノイ会談は、非核化の進め方をめぐり、すべての核兵器廃棄を迫る米国と制裁緩和を優先する「段階的な非核化」を求めた北朝鮮が対立し、トランプ氏が席を蹴った。同年10月にストックホルムで行われた実務協議も決裂した。トランプ氏は年明け以降、これまで「良い関係にある」と絶賛してきた正恩氏や北朝鮮に言及することがほとんどなくなり、今月4日の一般教書演説でも触れなかった。

CNNテレビによると、トランプ氏は高官に大統領選前に正恩氏との再会談を望んでいないと語ったという。再選を目指す上で北朝鮮問題を重視していないことが背景にある。対北朝鮮交渉を担ってきたビーガン氏は国務副長官に昇格、ビーガン氏の副官の異動も決まり、トランプ政権が交渉に本腰を入れるつもりがないのは明らかだ。

こうした現状に専門家からは懸念の声が上がっている。戦略国際問題研究所(CSIS)のスミ・テリー上級研究員は25日、米上院公聴会で、トランプ氏が進めた米朝交渉は「非核化で何の進展もなかった」と批判。「核・ミサイル計画に歯止めをかけていない」と述べ、北朝鮮の核開発が継続する現状に警鐘を鳴らした。

◇強硬姿勢が一転

「約束に一方的に縛られる根拠はなくなった」。正恩氏は昨年末の党中央委員会総会で、2018年4月に中止を決めた核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の再開を示唆。「世界は遠からず新たな戦略兵器を目撃することになる」とも強調し、戦略兵器開発を続ける姿勢も強く打ち出した。

だが、中国・武漢で発生した新型ウイルスの感染が拡大。医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な北朝鮮は中朝間の航空便・鉄道の往来を止めるなど流入を防ぐため、徹底した対策を講じた。正恩氏も1月は工場の建設現場視察や記念公演の観覧、今月は父・金正日総書記の生誕日に当たって遺体が安置されている平壌の錦繍山太陽宮殿を訪問したこと以外に目立った活動はなく、ウイルス感染に神経を使っている様子がうかがえる。

ただ、北朝鮮当局は中国人観光客らの入国を停止しており、新型ウイルスのまん延は中国に大きく依存する北朝鮮経済にも打撃だ。国際社会の制裁が続く中、こうした事態が長引けば体制内部で不満が高まる恐れもあり、正恩氏が外部に関心をそらすため、軍事挑発に踏み切るとの見方も出ている。

【時事通信社】 〔写真説明〕トランプ米大統領(左)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=2019年6月、板門店(AFP時事)

2020年02月26日 14時57分


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