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巨額予備費、国会軽視も=政府は「迅速性」強調



政府は2020年度第2次補正予算案で、新型コロナウイルスに対応できる予備費を10兆円計上した。コロナ禍の影響がいまだ不透明な中、迅速な対策を実施するための措置だが、政府の裁量で使用できる予算が巨額に積み上がることで、「国会軽視」との批判も付きまとう。

予備費は、自然災害など予算編成段階で予見できない事態に備える費用。長年、当初予算で3500億円計上するのが通例だった。ここ数年は台風や豪雨などが多発したことで、18年度は補正で上積みして4500億円に、19・20年度は当初段階からそれぞれ5000億円となった。

リーマン・ショック後の09年度には、危機対応に特化した予備費を1兆円追加した。東日本大震災(11年度8000億円)や熊本地震(16年度7000億円)でも上積みされた例はあるが、最大でも計2兆円弱。20年度は当初予算や1次補正と合わせて12兆円に上り、過去と比べて突出した金額となる。

予備費の使用は、国会審議が必要な補正予算の編成より早期の執行が可能だ。一連のコロナ対策で「対応の遅さ」が指摘される政府としては、予備費を増やすことで「迅速な対応」を可能にしたい狙いもある。麻生太郎財務相は「『足りない』よりは『使わずに済む』ほうが良い」と説明する。

ただ、予備費の使用は事前に国会審議を経ないため、使途に対するチェックが甘くなりがちだ。今回の予備費計上に、野党だけでなく与党議員からも「国会で補正予算を審議して決めるのが本筋だ」など疑念の声が聞かれる。

慶応大の土居丈朗教授は「予備費の10兆円は多過ぎる」と指摘。その上で「きちんと精査し、全額を使い切ろうとして無駄遣いになるようなことはあってはならない」と警鐘を鳴らした。

【時事通信社】

2020年06月05日 19時05分

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