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ベラルーシ制裁、発動足踏み=トルコ問題絡み複雑化―EU



【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)がベラルーシのルカシェンコ政権への制裁の最終決定を前に足踏みを続けている。キプロスが東地中海での資源開発をめぐって対立するトルコにも制裁を科すよう唱え、全会一致を必要とする決定を阻んでいるためだ。

「EUの信用が問われる」。ボレル外交安全保障上級代表(外相)は制裁を決められなかった21日の外相理事会後、強い危機感を示した。

EU加盟各国は、8月のベラルーシ大統領選は公正でなかったとしてルカシェンコ氏当選を認めず、選挙結果の改ざんと抗議活動弾圧の責任者に制裁を科す方針で合意済み。40人程度を制裁対象とする方向だ。

一方、トルコ制裁の議論はベラルーシほど煮詰まっていない。加盟各国は8月、制裁を検討することで一致したものの、「緊張緩和に向けた進展がなければ」という条件を付した。

EUはトルコとの間で難民問題など協力を得たい懸案を抱えている上、北大西洋条約機構(NATO)メンバーのトルコは、多くのEU加盟国の同盟相手。利害関係をほとんど持たないベラルーシとは事情が異なる。

収まらないのは、トルコによる主権侵害の脅威にさらされている小国キプロスだ。「EUの対応は一貫する必要がある」(フリストドゥリディス外相)と強調し、ベラルーシ制裁の最終決定を人質に取ってトルコ制裁の確約を要求。これに対し他の加盟国は「ベラルーシ国民に悪いシグナルを送る」(ラトビアのリンケービッチ外相)といら立ちを募らせている。

ルカシェンコ氏は、EU内の足並みの乱れを尻目にロシアの後ろ盾も得て弾圧を強化し、23日には6期目の大統領就任式を強行した。だがEUは、「正統性を欠く」と批判するボレル氏の声明を出すにとどめざるを得なかった。

キプロスと共闘してきたギリシャは22日、トルコと対話を再開することで合意し、トルコ制裁の議論は勢いを失っている。EUは来月1日からの首脳会議で一連の問題を協議するが、キプロスを説得し、早期のベラルーシ制裁を実現できるかは不透明だ。

【時事通信社】 〔写真説明〕東地中海に向けて航行するトルコの掘削船と軍艦=2019年7月、トルコ国防省提供(AFP時事) 〔写真説明〕就任式に臨むベラルーシのルカシェンコ大統領=23日、ミンスク(AFP時事)

2020年09月24日 19時51分


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