一般社団法人 日本電子機器補修協会

rogo

ラグビーの街、熱気冷めず=コロナ逆風乗り越え―W杯釜石開催から1年・岩手



東日本大震災で被災した小中学校跡地に建てられた岩手県釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで、ラグビーワールドカップ(W杯)の試合が開催されてから25日で1年が経過した。復興の象徴として大会を成功させた街は今、再びスクラムを組み、新型コロナウイルスの逆風に立ち向かっている。

日本選手権を7連覇した新日鉄釜石の拠点で、「ラグビーの街」として知られていた釜石市は2011年3月の津波で壊滅的な被害を受けた。14年10月、「復興を加速させる」としてW杯開催地に立候補。同スタジアムでの初戦フィジー―ウルグアイ戦では、スタンドを埋めた市民ら1万4000人超が熱狂した。

W杯の盛り上がりを大会後も維持し、街の発展につなげたいと思っていた矢先、新型コロナが暗い影を落とした。大会から1年の節目に、台風の影響で中止になったW杯ナミビア―カナダ戦を実現させようとした計画は、来年度以降に延期を余儀なくされた。トップリーグの試合や高校生の交流戦も中止。復興を語り継ぐ機会でもあった全国の小中高校からの修学旅行も次々となくなった。

困難に立ち向かうため、市は5月以降、動画投稿サイト「ユーチューブ」で、大会の公式PR映像や地元チームの練習風景、ラグビー選手が登場する体操動画などを相次ぎ公開。「釜石ラグビーの復興精神」の発信に力を入れる。10月9、10両日には、トップリーグの選手を招いた交流試合などW杯から1年の記念イベントも計画している。「ラグビーの街としての盛り上がりや、熱は冷めていない」と市担当者は力を込める。

同市では20日、地元チームの下部組織「釜石シーウェイブスジュニア」の5~12歳の子ども約70人がグラウンドを駆け回り、練習に励んでいた。W杯の熱気を示すように、チームの2割弱は大会後の入団者。その一人、幼稚園児の木村久暢ちゃん(6)は「パスが楽しい」と笑顔を見せた。

練習を見守った保護者の一人は「いつかここを出た時、『釜石はラグビーが盛んで、僕もやってたんだ』って話してくれたら」と、地元の伝統のスポーツを誇らしげに語った。

【時事通信社】 〔写真説明〕練習する釜石シーウェイブスジュニアの子どもたち=20日、岩手県釜石市 〔写真説明〕練習する釜石シーウェイブスジュニアの子どもたち=20日、岩手県釜石市

2020年09月25日 05時04分


関連記事

窒素固定する細胞小器官発見=「ニトロ

原子炉内への核燃料搬入開始=柏崎原発

要人警護、政治家側の協力課題=単独犯

両陛下、能登被災地再訪=土砂崩れ現場

「教訓風化させず」=犠牲276人の冥

「ただ使命感だけだった」=ボランティ

空港で避難者受け入れ強化=6月にBC

歴史的資料、被災家屋から救出=「文化

「おらほの鉄道」住民と共に=入社1期

月着陸、日本人初は誰に=現役飛行士7

輪島塗の老舗、全工程再開=「何年でも

自衛隊災害派遣、「阪神」超え=過去2

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース