一般社団法人 日本電子機器補修協会
「五輪は平和の祭典。平和への思いを伝えたい」。静岡県で24日、聖火ランナーを務めた大学生杉本汐音さん(22)は切実な思いを抱く。出身地の焼津市にある焼津港にはかつて、太平洋での水爆実験で被ばくしたマグロ漁船「第五福竜丸」が所属していた。同船の展示館でボランティア活動をする杉本さんは、多くの人に第五福竜丸の存在を知ってほしいという願いを込めて走った。
第五福竜丸は1954年、太平洋ビキニ環礁で米国の水爆実験に遭遇。船員23人が被ばくした。船体や資料は東京都立第五福竜丸展示館(江東区)で公開されている。
杉本さんは子どもの頃に絵本で同船の存在を知った。「なんで焼津の船なのに東京にあるんだろう?」。小学5年生で初めて展示館に行き、核兵器の恐ろしさに衝撃を受けた。
大学進学で上京し、同館で事務作業や受付、船の清掃などを担うボランティアを始めた。スタッフは60代以上が多く、「被ばく当時を知る世代の方が来館者へのガイドには向いている。でも、自分が活動することで若い世代に伝えられることがあるのかも」と考える。
新型コロナウイルスの流行で展示館も一時は休館した。「館に来られない人にも、福竜丸のことを学んでもらえる機会をつくれたら」と考え、第五福竜丸を描いた絵本の読み聞かせ動画をユーチューブに投稿した。同館が1978年から発行する「福竜丸だより」をデジタル化し、サイトに掲載する作業にも取り組む。
展示館はアーチェリー競技場に近いため、警備の関係上、五輪開催中は閉館される。観客らに来館してもらえないのは残念だが、自分が走る姿をきっかけに平和について少しでも考えてくれたらと願う。
集まった大勢の観客に手を振りながら走り抜き、「平和の思いを聖火に乗せてつなぐことができ、本当にうれしかった」と笑顔を見せた。聖火リレーを通し「つなぐこと」の大切さを強く感じたといい、「これから過去を知ることで、明るい未来をつくっていきたい」と力を込めた。
【時事通信社】
〔写真説明〕聖火を手に走る杉本汐音さん=24日、静岡県焼津市(代表撮影)
〔写真説明〕第五福竜丸の乗組員だった故大石又七さん(左、3月に死去)から話を聴く杉本汐音さん=2019年12月8日、神奈川県三浦市
〔写真説明〕第五福竜丸展示館で船体の大掃除をする杉本汐音さん(手前)=2020年12月16日、東京都江東区
2021年06月24日 15時56分
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