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改革実行も信頼回復遠く=金品受領、発覚から2年―関電



関西電力の幹部らが、原発が立地する福井県高浜町の元助役(故人)から金品を受領していた問題が発覚してから2年。関電はこの間、内向きの企業体質が原因だったとしてガバナンス(企業統治)改革を進めてきた。しかし、他の大手電力とカルテルを結んでいた疑いが浮上するなど、改革の実効性を疑問視する声は今もくすぶる。信頼回復はなお遠い。

金品受領問題では、これまでに幹部ら83人が工事発注などの見返りに計3億7000万円相当の金品を受領したことが判明している。

問題を受け関電は、八木誠会長と岩根茂樹社長が引責辞任し、体制を一新。社外取締役の監督権限を強化するため、指名委員会等設置会社に移行した。さらにコンプライアンス(法令順守)意識の向上へ、役員向けに年間100時間の研修を開始。全従業員にも研修を実施し、企業風土の刷新に取り組んでいる。

不正の再発防止へ、内部通報も奨励する。実際、子会社での新たな金品受領や国家資格受験の不正が通報で明らかになっており、社内からは「ガバナンスの体制が機能した結果」と評価する声が上がる。森本孝社長は「間違いを隠さずに把握して、次に起こらないようにすることが重要だ」と強調する。

しかし、改革は途上だ。中部電力や中国電力、九州電力などとお互いのエリアで顧客獲得を自粛するカルテルを結んでいたとして、独禁法違反の疑いで公正取引委員会の立ち入り検査を今年4月以降、2度も受けた。企業のコンプライアンスに詳しい関西大大学院の松本祥尚教授は「外形的に仕組みを整えただけで、有効に機能していないことの表れ。(大手電力として)独占企業の体質が抜け切っていない」と指摘する。

また関電は6月、ガバナンスを強化するとして相談役制度の廃止を発表したが、顧問については個別の報酬額を開示しつつ制度自体は存続させた。松本教授は「顧問は責任の所在が曖昧で、ガバナンスが完全に改善したとは言えない」と厳しい見方を示す。

【時事通信社】

2021年09月26日 06時33分

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