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中国の日本語学習者増加続く=正常化でブーム、動機多様化―「ジャパンスクール」は地位低下・国交50年



【北京時事】1972年の日中国交正常化以降、中国の日本語学習者は増加傾向をたどってきた。50年間で学ぶ動機は多様化し、現在の学習者は100万人超と推定される。一方、国力の増大を背景に対日政策の位置付けも変化し、中国外務省で日本語を専門とする「ジャパンスクール」の地位は低下している。

中国では49年の建国後、日本語学習は下火だったが、国交正常化を機にブームが訪れた。80年には、日本語教師など対日交流の人材育成を目的とした研修センターが設立された。当時の大平正芳首相と中国の華国鋒主席の合意に基づいたもので、「大平学校」と呼ばれた。現在も後身の組織が、中国の日本語教育をリードしている。

中国のフリージャーナリスト、陳言さん(62)は、12歳で国交正常化を迎えた。当時は文化大革命の嵐が吹き荒れ、自身も毛沢東を支持する先鋭的な「紅衛兵」として知識人の批判に明け暮れた。翌73年にラジオで日本語講座が始まると、歌手の芹洋子さんの「四季の歌」に心を奪われ、日本語学習にのめり込んだ。「ラジオから流れてくる日本の文化は、私の中で文革を終わらせるぐらいの衝撃があった。日本の工業展覧会などを見て、革命とは何だったのかと嫌悪感を覚えた」と振り返る。

日本の独立行政法人「国際交流基金」によれば、教育機関や民間の語学学校に所属する中国の日本語学習者は、2018年度調査で約100万5000人に上る。比較可能な03年度調査から約2.5倍に増えており、独学者も含めるとさらに多いと推測される。

近年、アニメや漫画の影響などで学習動機が多様化する一方、「大学入試で英語に比べて点を取りやすい」という理由から、日本語を選択するケースも増えている。半面、日本経済の低迷や新型コロナウイルス禍で就職先が限られていることから、大学では日本語学科の廃止や整理統合の動きもある。

中国外務省は15年、対日関係の専門部署である「日本課」を廃止し、朝鮮半島やモンゴルを担当する部署と統合。ジャパンスクールの地位低下を印象付けた。現在、日本関連の業務は、新設された「北東アジア課」が行っている。

日中関係に詳しい中国の識者は、中国が10年に国内総生産(GDP)で日本を抜き、世界2位になった頃から「米国と同じように強い国になったという意識があり、それほど日本を重視しなくなった」と説明する。この識者は、中国が外交で重視するのは「友人」と「力のある敵」だと指摘した。

【時事通信社】 〔写真説明〕中国の華国鋒主席(左)と大平正芳首相(いずれも当時)=1980年5月27日、東京・港区元赤坂の迎賓館

2022年09月26日 14時21分


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