一般社団法人 日本電子機器補修協会
【ニューヨーク時事】「少しの酒は体に良い」。この説を真っ向から否定する新たなガイドライン(指針)がカナダで発表され、波紋を呼んでいる。「少量であってもアルコールは健康を害する」と警告し、飲酒の機会が避けられない場合でも、ビールやワインなど週1~2杯程度に抑えるよう訴えている。
◇リスク4分類
カナダ薬物使用・依存症センター(CCSA)は今月、アルコール摂取に関する指針を12年ぶりに改定した。近年の研究で「年齢、性別、民族、アルコール耐性、生活習慣に関係なく、飲酒は全ての人にダメージを与える」と分かったためといい、「もし飲酒するなら、量を減らすのが好ましい」と呼び掛けた。
新指針では、飲酒によるリスクを、1週間当たりの消費量別に▽0杯▽1~2杯▽3~6杯▽7杯以上の4段階に分類。0杯は「リスクなし」で、妊娠中では「唯一の安全な選択肢」だという。
1~2杯は「低リスク」で、「アルコールの影響を避けられそうだ」と指摘。「中リスク」の3~6杯は乳がんや結腸がんなどを発症する危険性が高まるという。7杯以上は「高リスク」で、心疾患や脳卒中の恐れが1杯多く飲むごとに高まると警鐘を鳴らしている。
CCSAは1杯を、ビール(アルコール度数5%)で341ミリリットル、ワイン(同12%)で142ミリリットル、蒸留酒(同40%)で43ミリリットルと定義。カナダ保健省に対し、販売される酒の容器に何杯分のアルコールが入っているかを明示する規制を導入するよう勧告した。
◇低アルコール開発も
CCSAによると、カナダに住む15歳以上を対象にした調査では、回答者の40%が週7杯以上飲酒していると答えた。今回の改定について、トロント近郊で公共放送CBCの取材に応じた通行人のウェイン・ホワイトさんは「97歳の祖父母は毎日ワインを飲んでいる。(指針には)同意しない」と反発した。
一方、CBCによれば、健康志向の高まりを受け、低アルコール飲料の開発も活発化している。父親とビール醸造所を営むギャビン・アンダーソンさんは、ノンアルコールビールなどの新商品を増やしているという。「目標は、ビールは好きだけど(アルコール)摂取量を減らしたい人向けのビールを造ることだ」と語った。
【時事通信社】
〔写真説明〕ビール醸造所でグラスを片手に持つ女性=2021年6月、ケベック市(AFP時事)
2023年01月28日 10時53分
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