石垣市、尖閣で海洋調査=ドローンで魚釣島撮影―国会議員や記者も同行・沖縄



沖縄県石垣市は、尖閣諸島で3度目の海洋調査を実施した。小型無人機(ドローン)を飛ばして魚釣島を空撮し、動植物の生態や漂着ごみの状況を確認。中国海警局船が日本の領海に侵入し、市の調査船を阻もうとしたが、海上保安庁が厳重な警備態勢を敷いて阻止した。

市調査船の派遣は昨年1月以来。25日に第1陣、26日に第2陣が石垣港を出発し、27日までに帰港した。中山義隆市長や稲田朋美元防衛相ら国会議員が船上から視察したほか、時事通信など一部報道機関も取材のため同行した。市が求めていた上陸調査は日本政府が認めなかった。

2012年の東京都、22、23年の石垣市の調査にも参加した東海大の山田吉彦教授(海洋政策)に委託し、ドローンが初めて魚釣島の北側を赤外線カメラで撮影。大量のプラスチックごみや動物とみられる熱源、山の斜面が崩落している様子が映っていた。山頂付近で植生がほとんどなくなっていることや、ヤギの個体数が減少していることが分かったという。山田教授は「山が水を蓄える能力が衰え、生態系が崩れている」と指摘した。

周辺では、中国海警局船2隻が日本の領海に侵入。無線で「中国の領海から退去せよ」などと再三警告し、海保と応酬した。調査船に接近する海警船を海保の巡視船団が取り囲んで封じ込める場面もあった。

【時事通信社】 〔写真説明〕ドローンを操縦して魚釣島を撮影する調査員=27日午前、沖縄県石垣市の尖閣諸島沖 〔写真説明〕魚釣島周辺で中国海警局の船(中央)を阻もうとする海上保安庁の巡視船=27日午前、沖縄県石垣市の尖閣諸島沖 〔写真説明〕魚釣島周辺を航行する海上保安庁の巡視船=27日午前、沖縄県石垣市の尖閣諸島沖

2024年04月28日 19時40分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース