トランプ氏復権でも米印関係強固=インド与党幹部インタビュー



【ニューデリー時事】インド総選挙(6月4日開票)で優勢が伝えられる与党インド人民党(BJP)で外交政策を統括するビジェイ・チョウタイワレ外務部長が、4日までにインタビューに応じた。チョウタイワレ氏は、11月の米大統領選でバイデン大統領、トランプ前大統領のどちらが勝利しても、モディ政権継続なら米印関係は「より強固になる」と述べた。主なやりとりは次の通り。

―2期目を終えようとしているモディ政権の外交の評価は。

新型コロナウイルス禍で貧しい国々にワクチンを供給し、インドのイメージを高めた。紛争にはバランスの良い対応を取った。モディ首相はロシアのプーチン大統領に「今は戦争の時代ではない」と伝える一方、ウクライナに何度も人道支援を送った。

モディ氏は細かい部分にも気を配る。ウクライナ戦争発生時、現地のNGOなどと協力して同国に取り残されたインド人学生たちに暖かい服や食料を手配するようにという電話が、モディ氏から私に深夜にあった。

―米国で第2次トランプ政権が誕生した場合、同国との関係は。

印米関係は多元的で、互いに協力し合っている。米議会で親インドの立場の議員は100人以上いて、(民主、共和)いずれの党にも属している。米大企業の最高経営責任者(CEO)の多くはインド出身だ。大統領選で誰が勝っても関係はより強固になると確信している。

―総選挙で勝利したら、国境地帯で衝突を繰り返している中国との関係改善に乗り出すか。

印中の国境問題は何十年も続いている。われわれは、両軍の部隊が今どこにいようとも衝突前の配置に戻るべきだという立場だ。これができれば関係改善の余地はあるが、難しい。

―日本との関係は。

安倍晋三氏の首相在任中、印日関係は新たな高みに達した。モディ政権3期目は、安全保障面だけでなく貿易や投資などさまざまな面でさらに関係が強化されるはずだ。

―モディ政権下でヒンズー至上主義の高まりを警戒する声もある。

インドやモディ氏のイメージを悪化させたい一部の欧米の利益団体やメディアの思惑によるものだ。多数派のヒンズー教徒の利益だけを追求しているといった批判は完全に誤りだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに応じる与党インド人民党(BJP)のビジェイ・チョウタイワレ外務部長=4月25日、ニューデリー

2024年05月07日 08時07分


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