
【ワシントン時事】米政府機関の一部閉鎖は1日で1カ月が経過した。閉鎖に伴う資金不足で停止することになっていた低所得者向けの食料購入補助の支給制度について、司法は10月31日、トランプ政権に一時的な継続を命令。約4200万人が受給する支援制度の中断が回避される可能性が出てきた。ただ、政府閉鎖が終結する見通しは立っておらず、混乱は続いている。米メディアが伝えた。
「フードスタンプ」として知られる同制度は、食料品の費用として1人当たり月額平均188ドル(約2万9000円)を支給。低所得者向けの重要なセーフティーネット(安全網)となっている。農務省が1日に制度を停止すると発表していたが、東部マサチューセッツ州と同ロードアイランド州の連邦判事は、緊急事態に備えた予備資金を使って、支給を一時的に継続するよう命じた。
同制度は各地で継続が困難になるとみられており、南部バージニア州や東部ニューヨーク州などが非常事態宣言を発令。州独自の資金を拠出して事業を続けようとする動きも出ている。
政府閉鎖により、連邦政府職員への給与支払いも遅延している。トランプ大統領は10月31日、米議会で与野党がつなぎ予算案を巡り対立を続けていることに関し、記者団に「(野党の)民主党は狂っている。全て民主党の責任だ」と、同党を重ねて批判した。
与党共和党主導のつなぎ予算案は、民主党の抵抗で13回否決されている。政府閉鎖の期間は、第1次トランプ政権で過去最長となった35日間に迫りつつある。
【時事通信社】
〔写真説明〕食料の受け取りに並ぶ人々=10月30日、米南部フロリダ州マイアミ(AFP時事)
2025年11月02日 07時01分