自民、15日結党70年=3月に大会で新ビジョン



自民党は15日で結党70年を迎える。来年3月の党大会で、今後の党の指針となる「自由と民主主義を次世代につなぐ新ビジョン」を決定する方針だ。党史上初の女性総裁となった高市早苗首相の就任後、内閣支持率は急上昇した一方、自民の支持回復は限定的。少数与党、連立政権組み替えという激動の中で迎えた70年を機に、再生の道筋を描けるかが焦点になる。

自民党は1955年11月15日、自由、日本民主両党による「保守合同」で誕生。初代総裁に鳩山一郎氏が就任した。高市氏は今年10月、第29代総裁に就いた。

自民が結党したのは社会党の左派・右派統一から約1カ月後。「55年体制」と呼ばれた両党中心の政治構造の下、長期にわたり政権を維持した。93年に野党に転落したが、社会党の村山富市委員長を首相に担いで翌年政権に復帰。2009年に再び下野した。

24年衆院選と今年の参院選で敗れ、両院で少数与党に陥った。公明党が連立を離脱し、日本維新の会が加わった。党是の憲法改正は実現しておらず、維新と改憲案の取りまとめを急ぐ方針だ。

自民は10年前の結党60年の際は記念式典を開いたが、今回は衆参で過半数を割ったことも踏まえ同様の式典を見送った。今年3月の党大会で森山裕幹事長(当時)は70年に合わせて「新たな国家ビジョン」を定めると発表したが、参院選の惨敗に伴う党内の混乱で作業は進まず、今月中の策定は断念した。

自民は14日、来年3月の新ビジョン公表に向け、策定本部(本部長・鈴木俊一幹事長)の初めての役員会を開いた。参院選総括で、立て直しに向け「真の国民・保守政党の立ち位置を明確化する」と掲げており、鈴木氏はビジョンについて「今後の30年を見据え立ち位置を明確にする」と語った。

【時事通信社】 〔写真説明〕参院予算委員会で挙手する高市早苗首相=14日午後、国会内 〔写真説明〕自民党の「新ビジョン策定本部」役員会であいさつする鈴木俊一幹事長=14日、東京・永田町の同党本部

2025年11月15日 07時04分


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