
【サンパウロ時事】南米のチリで16日、ボリッチ大統領の任期満了に伴う大統領選が行われ、即日開票の結果、与党左派連合のジャネッテ・ハラ前労働・社会保障相(51)と右派ホセアントニオ・カスト元下院議員(59)が12月14日の決選投票に進むことになった。治安、移民が主要争点となった選挙には8人が立候補し、当選に必要な過半数の票を獲得する候補がいなかった。
選管当局によると、開票率86%の段階で得票率はハラ氏が26%、カスト氏が24%。事前の世論調査では、両氏による決選投票の場合はカスト氏が優勢で、ハラ氏は苦戦必至とみられている。敗北した複数の右派候補がカスト氏への支持を表明した。2021年の前回選挙で左派政権が誕生したチリは右派政権に交代する公算が大きい。
チリは安定した政治、経済を背景に「南米の優等生」と見なされてきた。日本にとっては銅の主要供給国だ。しかし、近年は殺人や誘拐など凶悪犯罪が増加。ベネズエラなどからの移民流入を治安悪化と結び付ける見方が広がり、与党には逆風が吹いた。
【時事通信社】
〔写真説明〕チリ大統領選候補のジャネッテ・ハラ前労働・社会保障相(左)とホセアントニオ・カスト元下院議員(AFP時事)
2025年11月17日 10時07分