
【ニューヨーク時事】ニューヨークで開かれていた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は22日午後(日本時間23日午前)、成果文書を採択できないまま閉幕した。2015年、22年の会議に続き、3回連続の決裂。文書採択を目指し、4月27日から約4週間にわたって協議を重ねたが、最終的にはイランの核開発問題を巡る隔たりを埋めることができなかった。
議長を務めたベトナムのドー・フン・ビエット国連大使は「(前提である)全会一致に至らなかった」として文書提示を断念。採択は10年の会議が最後で、今回も決裂に終われば、NPTの実質的な意義が失われる「空洞化」が進むと危惧されていた。
文書案は4回の改訂を重ねて対立する論点が次々に削られた。しかし、イランに「核兵器を追求、開発、取得してはならない」と求める項目が最後まで保留状態に。ビエット氏は、最終日も会議開始を遅らせてぎりぎりまで米、イラン、ロシアと交渉を続けたが、文言を削っても残しても合意を得られないと判断した。
米代表は最終案について「合意の用意はあった」と発言。決裂は「条約の違反常習国イランが加盟国全体を人質に取ったため」とイラン側を非難した。一方、イラン代表は「国際法とNPTが守られていれば、米国とその同盟国が違反者としてここに座っているはずだ」と強く反論した。
ビエット氏は閉幕後の記者会見で「条約の将来的な健全性を懸念している」と述べ、失望を隠さなかった。同席した中満泉軍縮担当上級代表(事務次長)も強い危機感を示し、「壊滅的結果につながりかねない道にいる」と警鐘を鳴らした。
【時事通信社】
〔写真説明〕核拡散防止条約(NPT)再検討会議に出席するビエット議長(中央)と中満泉・国連軍縮担当上級代表(事務次長、左)=22日、ニューヨーク
2026年05月23日 16時41分