
自民党から連立政権入りの秋波を送られる国民民主党が揺れている。1月の衆院解散を機に高市政権との関係は冷え込んだが、憲法改正や2026年度補正予算案を巡り、関係改善の兆しも出てきた。党内には政権参加を容認する意見がある一方、「数合わせ」と見られることへの警戒感も根強く、方針は定まっていない。
国民民主の榛葉賀津也幹事長は22日の記者会見で、参院で「少数与党」の状況にある政権側の事情について「何とか参院を安定させたい思いは人情としてよく分かる」と理解を示した。
両党は昨年12月、26年度予算の早期成立への協力と引き換えに「年収の壁」引き上げで合意し、信頼関係が「ピーク」(玉木雄一郎代表)に達した。しかし、今年1月の衆院解散でその前提が崩れて関係が悪化。国民民主は予算採決で反対した。
一方、高市早苗首相が4月の自民党大会で憲法改正の早期実現に意欲を示して以降、「雪解け」ムードが漂い始めた。玉木氏は緊急事態条項の創設に加え、参院選の合区解消を優先した改憲も主張し、自民を後押しする。自民関係者によると、榛葉氏と近い麻生太郎副総裁らの働き掛けがあったという。
補正予算案を巡っても両党は距離を縮める。玉木氏は今月15日、片山さつき財務相に3兆円規模の補正予算編成を提言。20日の党首討論では、首相が玉木氏の発言をメモを取りながら聞き、「ガソリンの暫定税率廃止を一緒にやってきた仲間だ」と持ち上げた。
連立を巡って党内の意見は割れている。中堅議員は「憲法は連立の大義になる」と指摘し、若手からも「政策実現のために政権に入るべきだ」との期待がある。一方、ベテランからは「数合わせのためだけの協力に乗るつもりはない」(古川元久代表代行)と慎重論も根強い。支援団体の連合も反対だ。
判断のカギを握る玉木氏は、関係再構築へ意欲をにじませる。19日の会見では「信頼関係の度合いによって連携の深さも幅も決まっていく」と述べ、与党入りの可能性に含みを持たせた。
榛葉氏は「考えているのは政策実現、ただ1点だ」と強調したが、その具体的な手段が定まるには曲折がありそうだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕記者会見する国民民主党の榛葉賀津也幹事長=22日、国会内
〔写真説明〕参院本会議で答弁する高市早苗首相=22日、国会内
2026年05月25日 07時01分