米国にらみ、「後ろ盾」強化へ=北朝鮮、中国主席厚遇も「核」譲らず



【ソウル時事】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は、7年ぶりに訪朝した中国の習近平国家主席を厚遇し、「後ろ盾」である同国との良好な関係を内外に誇示した。「核保有国」を自認する北朝鮮には、トランプ米政権との交渉の可能性を視野に入れ、中国を引き寄せたい思惑がある。

正恩氏は7年前と同様、李雪主夫人とともに平壌国際空港に到着した習氏を出迎え。「最高水準の待遇」(韓国メディア)で習氏を歓待することで、中朝関係の良好さを演出してみせた。

北朝鮮はここ数年、ロシアとの軍事協力強化を重視。その一方、対中関係は「隙間風」が吹いていると指摘されていた。正恩氏が昨年9月に北京を訪れ、対中関係改善に乗り出したのは、ウクライナ停戦が実現した場合、ロシアにとっての自らの重要性が低下するとの懸念があったためだ。

新型コロナ禍の国境封鎖で一時は落ち込んだ対中貿易も改善基調が見られ、2025年にはコロナ前の水準にまで回復した。北朝鮮は、外貨獲得が見込める観光業を国の経済成長をけん引する産業と位置付けており、中国との交流拡大を図っている。

ただ、北朝鮮の核問題を巡っては「朝鮮半島の非核化」を目指してきた中国と、核保有を既成事実化しようとする北朝鮮との立場に隔たりがある。北朝鮮の金与正党総務部長は6日付の談話で、5月の米中首脳会談で北朝鮮の非核化目標が確認されたとする米側の見解は「捏造(ねつぞう)だ」と主張。中朝首脳会談で議題に上らないようけん制した。

「核保有国」の立場に固執する北朝鮮は、こうした地位を尊重すれば米国との対話も可能との立場だ。「すぐに米朝首脳会談が実現する可能性は低い」(専門家)との見方が強いものの、習氏の9月の訪米を前に、中国側と認識のすり合わせを行ったもようだ。

【時事通信社】

2026年06月09日 07時10分

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