経済念頭、ロシア偏重を修正=中国と「対等」強調―北朝鮮



【ソウル時事】北朝鮮は、中国の習近平国家主席の訪朝を通じ、ロシアに偏重していた外交の修正を図った。経済的にロシアに大きな期待をしづらくなっている中、中国に対し、北朝鮮の核保有を認め、国連安保理制裁を履行しないよう迫った可能性がある。

朝鮮中央通信によると、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は8日の習氏との会談で、「今後も朝中親善を最も重要な第1の戦略的事業として堅持する」と強調した。しかし、近年、ウクライナに侵攻するロシアとの密着ぶりは誰の目にも明らかだった。

ロシアとの軍事協力により、2023年9月から昨年末までの北朝鮮の外貨収入が約110億ドル(約1兆7600億円)に上ったとの推計もある。ただ、韓国のシンクタンク「対外経済政策研究院」は3月の報告書で、「ウクライナ侵攻が長期化する中、北朝鮮の戦争『特需』はピークを過ぎた」と指摘。情報筋は「北朝鮮が派遣した労働者に満足な給与が払われないなど、ロ朝関係の変化を示す複数の兆候がある」と述べた。

一方、北朝鮮が経済面で中国に抱く最大の不満は国連安保理制裁だ。中国の公式統計によると、北朝鮮の25年の対中輸入額が約23億ドル(約3700億円)なのに対し、輸出は約4億4000万ドル(約700億円)で、大幅な貿易赤字。北朝鮮による石炭輸出の禁止などを中国が一定程度守っているためだ。

中国は「非核化」に沈黙するものの、北朝鮮の核保有を認めたとは考えにくい。「制裁は緩めたり厳しくしたりして北朝鮮を管理できる『カード』」(韓国の専門家)との見方もあり、制裁無力化に動くかは不透明だ。

北朝鮮はロシアと中国の間で自律性を確保しながら国益最大化を図る戦略だ。韓国・統一研究院の洪※(※は王ヘンに民)先任研究委員は北朝鮮側の報道について「依存でなく、対等な関係を強調している」と分析した。中国側は習氏が軍隊交流の必要性に言及したと発表したが、北朝鮮側報道にはなく、慎重姿勢を示した可能性がある。表向きの「中朝親善」の陰で、今後も神経戦が展開されるとみられる。

【時事通信社】 〔写真説明〕8日、北朝鮮・平壌で中国の習近平国家主席と会談する金正恩朝鮮労働党総書記=朝鮮中央通信が9日配信(AFP時事)

2026年06月10日 07時13分


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