【カイロ、ワシントン時事】イスラエルとイランがそれぞれ相手への攻撃停止を表明してから一夜明けた9日、現地で大きな衝突は発生していないもようだ。沈静化を求めるトランプ米大統領の要求がひとまず奏功した形だが、米イランの戦闘終結に向けた交渉が停滞する中、交戦再燃の火種はくすぶり続けている。
トランプ氏は9日、記者団に対し、米イランの交渉について「非常に良い取引の最終段階にある」と主張。実際に協議が進展しているかは不明だが、情勢の好転をアピールしてみせた。
イランとイスラエルは7日から攻撃の応酬を繰り広げ、イラン側では要員2人の死亡が伝えられたが、同国軍中央司令部は8日に作戦停止を表明。イスラエルのネタニヤフ首相も、イラン側が停止したことを受け、イスラエルも攻撃を中止していると述べていた。
ただ、ネタニヤフ氏は、イランやレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘は「まだ終わっていない」と強調。必要な場合には「自衛権を行使する」と強硬姿勢を崩していない。
報道によると、イスラエルは8日に大規模なイラン空爆を計画していたが、事態悪化を懸念するトランプ氏がネタニヤフ氏に電話した後、作戦は急きょ中止された。米ニュースサイト「アクシオス」によれば、トランプ氏は、イランとの戦闘を再開したら米国の支援を受けずに単独で戦うことになると警告したという。
イスラエル軍はレバノン南部での作戦は継続している。ロイター通信によると、レバノン保健省は9日に南部ティールが攻撃を受け、少なくとも8人が死亡したと明らかにした。
一方、イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」で対外工作を担うコッズ部隊のガアニ司令官は、原油輸送の要衝ホルムズ海峡から紅海とアラビア海を結ぶ要衝バベルマンデブ海峡までの一帯に「抵抗の安全区域」を創設すると主張。イランの代理勢力の動きが活発化する可能性もある。
【時事通信社】
2026年06月09日 21時51分
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