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レバノン情勢、混迷の一途=大爆発引責で内閣総辞職



レバノンの首都ベイルートの港湾地区で160人以上が犠牲になった大規模な爆発から11日で1週間。政府が爆発の原因となった化学物質を倉庫に放置したと憤る市民による抗議デモが続き、ディアブ首相は10日、内閣総辞職の発表を余儀なくされた。爆発の原因究明が進まない中、情勢は混迷の一途をたどっている。

ベイルートでは8日以降、数千人規模の反政府デモが続いた。閣僚も次々と辞任の意向を示して政権維持が困難となり、ディアブ氏はテレビ演説で「爆発の責任追及を求め、真の変化を願う人々の意思に従う」と述べ、総辞職を表明した。爆発については政治や国家の「慢性的な腐敗」の結果であるという認識を示した。

アウン大統領は総辞職を受け入れ、ディアブ氏に対して新内閣発足までの間、暫定的に政権運営を担うよう指示した。ディアブ内閣は腐敗撲滅や経済危機脱却を目指し、今年1月に発足したが、成果を上げることはできなかった。

4日に起きた爆発をめぐり、政府は原因究明のため港湾関係者を拘束、軟禁する措置を取った。しかし、ロイター通信によると、治安当局が遅くとも7月の時点で首相と大統領に対して爆発の危険性を警告していたことが判明。政府指導部の怠慢が惨事につながった可能性が濃厚になっている。

爆発を招いた大量の硝酸アンモニウムは、6年間にわたって港湾地区の倉庫に放置されていた。デモ隊は放置を許した「腐敗体質の政府の刷新」を要求しており、人心一新を図れる後継内閣発足のめどが立つまで抗議行動を辞さない構えだ。

爆発による死者は少なくとも163人に達し、負傷者は6000人を超えた。数十人がなお行方不明で、30万人が家を失ったとされる。一方、8日にはデモ隊が政府庁舎などを一時占拠する事態となり、警官隊との衝突で700人以上が負傷、警官1人が死亡した。

【時事通信社】 〔写真説明〕レバノンの反政府デモ参加者=10日、ベイルート(AFP時事) 〔写真説明〕反政府デモの鎮圧に当たる警官隊=10日、ベイルート(AFP時事)

2020年08月11日 18時28分


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