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苦境脱却へ河野氏に白羽=ワクチン接種準備、不安も―新型コロナ



菅義偉首相は、新型コロナウイルスのワクチン接種の担当として、河野太郎規制改革担当相に白羽の矢を立てた。内閣支持率急落で苦境にあえぐ菅内閣の命運を握るのがコロナ対策。その「切り札」となるワクチン接種の総合調整を河野氏の突破力に託したが、先行きには不安も入り交じる。

「各省にまたがっているから(河野氏に)担当相を決めた。政治主導でしっかり臨んでいく」。首相は19日、首相官邸で会った自民党の下村博文政調会長に、2月下旬までに始めると「公約」したワクチン接種への決意を示した。

首相が河野氏を起用したのは、所管の厚生労働省の動きが鈍いことが背景にある。同省は米製薬大手ファイザーの日本法人を窓口としていたが交渉は遅れていた。これを察知した首相官邸がワシントンの日本大使館を通じて米国のファイザー本社と直接交渉に臨み、進展した経緯がある。「官邸の言うことを聞かない厚労省」(官邸筋)に首相は不満をため込んでいたという。

ワクチンは超低温で保管する必要があり、輸送も大掛かりとなる。接種会場の確保も急務だ。河野氏は19日の会見で「輸送や保管、会場設定といったロジを担当する」と説明。早速、医療機関や自治体、関連企業などとの調整に入る。首相と河野氏は19日夜、官邸で小泉進次郎環境相らを交え対応を協議した。

首相は河野氏が規制改革担当相として押印廃止など省庁間の課題に「手腕」を発揮したことを評価。政府高官も「発信力もあり、説明も分かりやすい」と河野氏を持ち上げる。

ただ、河野氏の調整力を不安視する向きもある。防衛相時代に陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の計画停止を発表した際、要所への根回し不足で批判を招いた。自民党ベテランは「目立ちたがり屋で調整能力が全くない」と漏らす。昨年9月の就任直後に設置した「縦割り110番」も殺到する情報を処理し切れず、約2カ月で中断した。

ワクチンをめぐり、厚労省は2月中旬の承認も視野に審査を急ぐ。医療従事者1万人への先行接種は、国立病院機構など医療系3独立行政法人傘下の医療機関での実施に向け準備を進める。65歳以上の高齢者や基礎疾患がある人などを経て、一般国民への接種は「5月以降」(政府高官)になる見通し。河野氏起用でも、接種時期が遅れたり混乱が生じたりすれば、批判の矛先が首相に向く可能性もある。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者団の取材に応じる河野太郎規制改革担当相=19日午後、東京・永田町の自民党本部

2021年01月19日 19時36分


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