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メルケル氏後継決定へ＝「連立パズル」勝者が首相に―ドイツ総選挙、２６日投票

【ベルリン時事】４期１６年務めて引退するメルケル首相の後継が決まるドイツ連邦議会（下院）選挙は２６日、投開票される。中道左派・社民党と中道右派のキリスト教民主・社会同盟（ＣＤＵ・ＣＳＵ）の二大政党を軸に争われるが、政権獲得には３党の連立が必要になる見通し。二大政党のうち、選挙で優位に立ち、多数の政党との複雑な調整が絡む「連立パズル」を解いた勝者が首相の座を射止めることになりそうだ。

各世論調査の支持率は、社民党が２５％前後で首位。メルケル氏のＣＤＵ・ＣＳＵが数ポイント差で追い、緑の党が１５％前後で続く。選挙後は、市場経済重視の自民党、旧東独独裁政党の流れをくむ左派党も絡み、連立交渉が行われる見通しだ。二大政党と緑の党は首相候補を立てたが、緑の党は「首相レースから脱落」（ビルト紙）気味で、社民党の首相候補ショルツ副首相兼財務相か、ＣＤＵのラシェット党首のうち、連立交渉をまとめ上げた方が首相になる公算が大きい。

ドイツには、政党のシンボル色で連立の組み合わせを表す伝統がある。まず可能性があるのは、シンボルがともに赤の社民、左派両党と緑の党の「赤赤緑」連立。左派３党で親和性が高いが、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）解体など過激な主張をする左派党と、他の２党が折り合えるかが焦点だ。

社民党と緑の党、自民党（黄）の「信号連立」も有力。ただ、増税などによる大きな政府志向の社民、緑と、小さな政府路線の自民は相性が悪い。ＣＤＵ・ＣＳＵ（黒）と緑、自民が組むジャマイカ国旗色の「ジャマイカ連立」、二大政党に自民を加えたドイツ国旗色の「ドイツ連立」もあり得るが、いずれも政策面で一難ある。

前回２０１７年の選挙後は連立交渉に半年を要した。メルケル氏の続投がほぼ決まっていた前回とは事情が異なるものの、選挙結果次第では交渉の難航も予想される。新政権樹立までは、規定上現職のメルケル氏が首相にとどまる。

【時事通信社】〔写真説明〕２３日、ベルリンで、テレビ討論会の収録に臨むドイツ社民党の首相候補、ショルツ副首相兼財務相（ＥＰＡ時事）〔写真説明〕ドイツのメルケル首相（右）とキリスト教民主同盟（ＣＤＵ）のラシェット党首＝２１日、北東部シュトラルズント（ＡＦＰ時事）

2021年09月24日 18時11分