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二重の差別、痛み分かって=次世代へ伝承者育成を―在日コリアン被爆者・長崎原爆忌



1945年8月の広島、長崎への原爆投下では多くの在日コリアンも犠牲になった。「なぜ朝鮮半島出身の人々が被爆し、二重三重の痛みを負わなければならなかったのか」。被爆者として、在日コリアンとして、二重の差別に苦しんだと語る広島県朝鮮人被爆者協議会の金鎮湖会長(76)。「幾重にも虐げられてきた歴史を理解し、後世への継承を」と訴える。

金さんの両親は同月6日の原爆投下の翌日に広島市内に入った。翌年生まれた金さんは、母親の胎内で被爆した。9人きょうだいの8番目。生活は苦しく、新聞配達などで家計を支えた。中学3年生の時、姉が「誰にも言ってはいけない」と前置きし、金さんが胎内被爆者だと教えてくれた。

中学を卒業し、広島市内のタクシー会社に就職しようとしたが、「外国の方は採用できない」と断られた。その後定時制高校を受験。合格発表のボードには、金さんら在日コリアンの生徒6人だけが名前の代わりに受験番号を記されていた。「そこまで差別するのか」。怒りが込み上げた。

原爆の体への影響について根拠のないうわさも広がり、「結婚に支障が出るとして(親が被爆者であることを)伏せている同胞は今もいる」と明かす。金さん自身は60歳で肝臓を患った。医師からは原爆の後遺症かどうか答えはなかった。

在日コリアンの被害実態は解明されていない点が多い。広島市では5000~8000人、長崎市では1400~2000人が死亡したという行政側の発表などがある一方、広島市は約3万人、長崎市は約1万人が死亡とする韓国の団体の発表もある。

金さんは、被爆者の中に朝鮮半島出身者がいたことが日本であまり知られていないと指摘する。韓国からの訪問団を広島市の平和記念資料館に案内すると、「韓国人が被害を受けたという内容の展示はどこにあるのか」と必ず聞かれる。

被爆者が高齢化したり、死亡したりして、「語り部」不足の問題も深刻だ。「生き地獄を思い出したくない。語るなんてとんでもないと拒む人もいる」。被爆の実相をどう伝えていくのか。「(原爆の被害や歴史を)学ぶだけでなく、行動を起こすべきだ。次世代への伝承者育成を早急に進めたい」と力を込めた。

【時事通信社】 〔写真説明〕広島県朝鮮人被爆者協議会の金鎮湖会長=3日、広島市

2022年08月08日 14時21分


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