一般社団法人 日本電子機器補修協会
【北京時事】中国で都市と農村の格差縮小を視野に、農村の観光地化を図る動きが加速している。農業以外の産業を育成し、都市を大幅に下回る農村の所得水準を引き上げるのが狙いで、地方政府が開発を競う。ただ、投資回収が困難な事業も多いとみられ、将来的に自治体の運営を圧迫しかねないとの懸念もくすぶる。
8月上旬に当局の取材ツアーで訪れた湖南省益陽市の清渓村。著名作家のふるさととして売り出しており、村内には村の歴史を説明する資料館や作家にちなんだ博物館が点在。管理の行き届いたアスファルトや石畳の道路を、真新しい観光客用の車両が走っていた。
清渓村幹部の賀志昂氏によると、政府系の投資会社が開発を手掛けてきた。交通インフラの整備などが奏功し、観光客数は10年間で3倍近くに増加。ただ、投資回収は「今後の課題」(賀氏)という。
農村の観光地化は2017年ごろから党中央の方針もあって各地で急速に進んだが、集客が容易な都市近郊を除くと「必ずしも成功しているとは限らない」(中国の農村問題に詳しい厳善平同志社大教授)のが実情だ。清渓村も観光客の誘致をめぐって周辺の村との競争が激化。同村関係者は「周囲で投資を回収できた村はないようだ」と打ち明ける。
こうした中、観光以外の開発手法を模索する動きも出ている。少数民族の白族が暮らす同省張家界市の合群村は観光に加え、特産品のコメやモモのオンライン販売に活路を見いだそうとしている。市政府は販売に必要な備品を村民に提供することなどで取り組みを支援。村幹部によると、近隣の村で収穫した茶葉をいったん合群村へ運び、オンラインで全国へ販売する新たな試みも始まっているという。
湖南省農村振興局の幹部は「それぞれの村にはそれぞれの潜在力がある」と語り、各村の状況を踏まえて農村振興を図っていくと強調した。
【時事通信社】
〔写真説明〕合群村特産品のコメをオンライン販売する白族の女性=5日、中国・湖南省張家界市
〔写真説明〕清渓村の観光客用車両。村内に点在する博物館などの施設を結んでいる=3日、中国・湖南省益陽市
2022年08月17日 17時22分
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