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国葬費用、半世紀前にも賛否=電光石火の決定、批判封じる―予備費で禍根・吉田茂氏葬儀



首相経験者の国葬は、半世紀前にも論争を巻き起こしていた。吉田茂氏が死去した際、国葬実施に関しては当時の佐藤栄作首相がわずか3日後に閣議決定する電光石火の早業で批判を封じたものの、費用を今回と同じく予備費から支出したことは禍根を残した。法的根拠のあいまいさはその後も放置され、安倍晋三元首相の国葬に世論の支持が広がらず、岸田文雄首相が窮地に陥る遠因となった。

吉田氏が死去したのは1967年10月20日。佐藤氏の日記によると、外遊中のマニラで訃報を知らされた直後に木村俊夫官房長官に電話し、「国葬の儀を取り計らうよう命じた」という。外遊を切り上げて21日夜に帰国すると、23日午前の臨時閣議で実施を決定。必要経費を国費から支出することも決めた。

31日に行われた国葬の前日、予備費から1809万6000円の支出を決めた。現在の貨幣価値に換算すると約7000万円に相当する。政府の「故吉田茂国葬儀記録」などによれば、内訳は生花代など会場の日本武道館(東京都千代田区)を飾り付ける費用に約956万円、会場の借り上げ費用に約394万円など。警備費は含まれていない。

国葬には野党第1党の社会党(現社民党)首脳も参列した。今回のように反対論が広がりをみせることはなく、吉田氏を恩師と仰ぐ佐藤氏は当日の日記に「先例もなく、参考になるようなこともないのでちょっと心配したが、万事は厳かに行われた」と記した。

だが、国会審議を経ずに決まる予備費から支出したことに対しては、翌68年5月の衆院決算委員会で不満が噴出した。社会党の田中武夫議員は「予備費は内閣の責任において支出するといっても、何らかの根拠がなくてはいけない」と批判。同党の華山親義議員も、戦前の「国葬令」が廃止されたことを踏まえて「新憲法下においては天皇崩御の場合以外は国葬は行われないものと解すべきだ」として、支出への反対を表明した。

吉田氏の国葬は死去から11日後に行われた。これに対し、岸田首相は7月半ばに首相経験者として戦後2例目となる国葬の実施を表明。それから2カ月以上にわたって「国民への説明責任を果たしていく」と繰り返してきたが、幅広く支持が得られたとは言いがたい状況のまま本番を迎える。

【時事通信社】 〔写真説明〕吉田茂元首相の国葬で献花する外国使節ら=1967年10月31日、東京都千代田区の日本武道館

2022年09月25日 16時00分


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