【シンガポール時事】シンガポールで開かれていたアジア安全保障会議(通称シャングリラ会合)は4日、閉幕した。最大の焦点だった米中関係を巡り、双方は国防相会談見送りの責任を互いになすりつける非難合戦を展開。埋まらぬ溝を露呈し、軍同士の対話再開への道のりの険しさを印象付けた。
「中国は米国と新型の大国関係の構築を模索してきた。米側が誠意を見せなければならない」。中国の李尚福・国務委員兼国防相は4日の演説でこう強調し、ロシアからの兵器調達に関連して自身を制裁対象に指定している米国を批判した。
米国防総省によると、米国は安保会議に合わせて国防相会談を打診したが、中国が拒否した。オースティン米国防長官は前日の演説で「対話はご褒美ではない。必須のものだ」と制裁解除を会談の条件に掲げる中国をたしなめたが、李氏は演説でこれに直接反論した格好だ。
【時事通信社】
〔写真説明〕3日、シンガポールで演説するオースティン米国防長官(EPA時事)
〔写真説明〕4日、シンガポールで演説する中国の李尚福・国務委員兼国防相(EPA時事)
2023年06月04日 14時46分