中古車販売大手ビッグモーター(東京)による保険金不正請求問題で、金融庁は19日午前、同社と損害保険ジャパンへの立ち入り検査を始めた。不正の原因や保険契約者の保護に欠ける対応がなかったかなどを詳しく調査する。問題が認められれば業務改善命令などの行政処分を検討する。
東京都新宿区の損保ジャパン本社と同多摩市のビッグモーター多摩店に、それぞれ検査官が入った。検査期間は数カ月に及ぶ見通しだ。鈴木俊一金融相は同日の閣議後記者会見で、「問題の根本原因を特定すべく深度のある実態調査を進めたい」と述べた。
損保ジャパンは昨年7月、修理費用の水増し請求に関するビッグモーターの社内調査が書き換えられたことを把握しながら、停止していた同社への顧客紹介を再開した。この判断を主導した白川儀一社長は辞任を表明している。
立ち入り検査では、こうした経緯に加え、ビッグモーターへの出向者の役割や、修理査定を簡略化する仕組みと不正の関係について検証する。損保ジャパンの親会社SOMPOホールディングスの管理体制も問う方針だ。
ビッグモーターについては保険代理店としての経営管理の実態などを調べる。
立ち入りについて、損保ジャパンは「検査に真摯(しんし)に対応するとともに、お客さまの被害回復に努める」、ビッグモーターは「全面的に協力していく」と、それぞれコメントした。
【時事通信社】
〔写真説明〕損害保険ジャパン本社=19日午前、東京都新宿区
〔写真説明〕損害保険ジャパン本社へ立ち入り検査に入る金融庁の職員ら=19日午前、東京都新宿区
〔写真説明〕ビッグモーター多摩店へ立ち入り検査に入る金融庁の職員=19日午前、東京都多摩市
〔写真説明〕ビッグモーター多摩店へ立ち入り検査に入る金融庁の職員=19日午前、東京都多摩市
2023年09月19日 11時44分