【ニューヨーク時事】11月5日の米大統領選を控え、民主党のウォルズ・ミネソタ州知事(60)、共和党のバンス上院議員(40)の両副大統領候補によるテレビ討論会が1日夜(日本時間2日午前)、ニューヨークで行われた。両陣営による最後の直接対決で、両氏はともに失言を回避し、手堅い議論に終始した。討論会終了後の世論調査では「ほぼ互角」の結果だった。
勝者を尋ねたCBSテレビの世論調査では、42%がバンス氏、41%がウォルズ氏と回答した。CNNテレビの調査でも、バンス氏が51%、ウォルズ氏は49%と伯仲した結果となった。
両氏は外交や移民対策、経済などで応酬を繰り広げつつ、それぞれの大統領候補である民主党のハリス副大統領、共和党のトランプ前大統領の擁護に努めた。人格攻撃などはなかった一方で、互いに決定打を欠く展開となった。
イランのイスラエル攻撃に関し、ウォルズ氏は「ハリス氏は自国と同盟国を守る」と強調。「トランプ氏の気まぐれのせいでイランは核兵器(保有)に以前より近づいている」とトランプ前政権のイラン核合意離脱を批判した。これに対しバンス氏は、「トランプ氏が世界を安全にした」と反論した。
移民問題ではバンス氏が、「ハリス氏が国境を開放したせいで(不法移民で)学校や病院はあふれかえり、市民生活は破壊された」と攻勢を強めた。ウォルズ氏は経済政策で「トランプ氏の減税は圧倒的に富裕層のためだ。ハリス氏は富裕層に公平な負担を求める」と訴えた。
ウォルズ、バンス両氏はともに中西部を地盤とする白人男性だが、対照的な性格で知られる。素朴な人柄で人気を集めるウォルズ氏に対し、各種世論調査で支持率が低迷するバンス氏が挽回できるかが焦点だった。バンス氏は討論会でこれまでの過激な言動を封印し、終了後にはウォルズ氏と握手して健闘をたたえ合うなど、理性的な振る舞いを見せた。
討論会はCBSが主催した。選挙戦は残り1カ月余りで、両陣営は激戦州を中心に激しく競り合っている。ハリス氏とトランプ氏の討論会は9月10日に行われただけで、次回の開催予定はない。
【時事通信社】
〔写真説明〕1日、ニューヨークで、米副大統領候補のテレビ討論会を前に握手する共和党のバンス上院議員(左)と民主党のウォルズ・ミネソタ州知事(EPA時事)
2024年10月02日 20時31分