総務省が29日に公表した2023年の政治資金収支報告書の記載からは、各党や議員らがSNSやインターネットを積極的に活用している様子がうかがえた。ネット選挙が解禁されたのは13年。スマートフォン上での訴えが有権者の投票行動に与える影響は大きくなっており、各党のネット活用はさらに加速しそうだ。
公表された各党の報告書によると、立憲民主党は昨年1年間のネット発信費に約1億2900万円を計上。日本維新の会は「SNS広告費」と「WEB広告掲載料」として計8600万円以上を支出していた。公明党は「ユーチューブ広告代」で約2900万円、国民民主党は「ライブ配信費」で約700万円をそれぞれ計上した。
ネット関連の支出の記載方法に統一基準はない。自民党のネット関連費は「広告宣伝費」などに含まれるとみられるが、明確にはされていなかった。
各党以外の政治団体では、「石原伸晃の会」が「SNS関係費」として約550万円の支出を記載していた。ほかの団体でも、X(旧ツイッター)やLINE、インスタグラムなどのSNSに関する支出があり、動画撮影用とみられる機器の購入も多数あった。
収益化している政党もあった。れいわ新選組は「google広告」として約1100万円の収入を記載。同党によると、ユーチューブで再生数に応じて得られた収益という。同党の公式チャンネルは1900本以上の動画を投稿し、登録者数は33万人を超える。
ネットを使った選挙運動は13年の公選法改正で解禁。ホームページやユーチューブなどさまざまなウェブサイトやSNSを利用した選挙運動が可能になった。今年の東京都知事選に立候補し次点だった石丸伸二氏や、兵庫県知事選で再選した斎藤元彦氏がSNSを駆使して得票を伸ばしたとされている。
【時事通信社】
2024年11月30日 07時06分
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