マイナス金利、「性急」と批判=異論押し切り、僅差で導入―日銀16年上半期議事録



日銀は15日、黒田東彦総裁時代の2016年上半期(1~6月)の金融政策決定会合の議事録を公表した。マイナス金利政策の導入を決めた1月会合では、黒田総裁ら執行部の提案に対して「性急なあまり中身が十分に詰められていない」(白井さゆり審議委員)との批判や、副作用を懸念する声が噴出。採決は賛成5、反対4の僅差となり、執行部が異論を押し切って導入に突き進んだ姿が鮮明になった。

16年1月当時は、原油安や中国経済の減速懸念で株安と円高が進行。13年4月に導入した国債などを大量に買い入れる異次元緩和は、安定的な物価上昇という期待した効果を挙げられず、会合ではマイナス金利導入とともに、2%の物価目標の達成時期を「16年度後半」から「17年度前半」に先送りすることも決めた。

政策運営の手詰まり感が強まる中で浮上したのが、民間銀行が日銀に預ける当座預金の一部にマイナス0.1%の金利を適用する仕組み。日銀への預金よりも企業への融資などに資金が回ることを狙った。議事録によると、黒田氏は金融緩和の効果が「さらに強化される」と説明。中曽宏副総裁は企業の賃上げ意欲後退などで「物価の基調に悪影響が及ぶリスクが高まっている」と、導入の必要性を強調した。

一方、4人の審議委員は副作用を警戒して反対。木内登英委員は「経済・金融情勢が著しく悪化するような非常事態での危機対応策としてのみ検討に値する」と主張した。佐藤健裕委員も「実際やってみないと分からないという不確実性がかなりある」と指摘し、「非常にリスクがある」と懸念を示した。

導入後の3月会合でも、佐藤委員は「デフレマインドをかえって強める方向に作用している」と批判。これに対し、中曽副総裁は「何もしないという選択は政策当局にはあり得なかった」と反論するなど対立が続いた。

【時事通信社】 〔写真説明〕日銀の黒田東彦前総裁=2016年12月、東京都中央区(EPA時事)

2026年07月15日 18時07分


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