
新潟県の花角英世知事は14日、東京電力柏崎刈羽原発(同県)の再稼働の是非を判断するのを前に、同原発を視察した。視察は7年ぶりで、東京電力ホールディングス(HD)が再稼働を目指す同原発6号機を中心に安全対策を確認。対策の状況や再稼働に対する県民意識調査の結果などを踏まえ、月内にも判断を示す方向だ。
柏崎刈羽原発を巡っては、6号機と7号機が再稼働に必要な原子力規制委員会の審査に合格。6号機は10月末に再稼働のための技術的な準備が整った。花角知事は、6号機の原子炉建屋内で電源喪失を想定したケーブルの設置訓練などを視察し、安全対策を確認。東電HDの小早川智明社長らも同行した。
花角知事は視察後、記者団の取材に応じ「(安全に対する)意識が高い状況にあることを肌で感じることができた」と感想を述べた。一方、再稼働の是非の判断に関しては具体的な言及はなかった。
視察後、花角知事は同県長岡市内で、原発から30キロ圏内の同市や小千谷市など7市町のトップと意見交換。30キロ圏内の自治体は原発事故への避難計画策定が求められている地域でもあり、再稼働への考えを直接聞いて判断の参考にする考えだ。
会合終了後、長岡市の磯田達伸市長は「市民の理解が広がるにはもう少し時間がかかるのではないか、時間をかけるべきではないかということを申し上げた」と述べた。
また、小千谷市の宮崎悦男市長は「(各首長の話を)非常に真摯(しんし)に聞いていただいた。(知事は)『重く受け止める』とおっしゃった」と話した。上越市の小菅淳一市長は「知事が今後熟慮されてなされる判断については、それを尊重申し上げるとお伝えした」と述べた。
〔写真説明〕柏崎刈羽原発から30キロ圏内にある自治体の首長との意見交換会に臨む新潟県の花角英世知事(奥中央)ら=14日午後、新潟県長岡市
〔写真説明〕東京電力柏崎刈羽原発6号機の原子炉建屋内で、外部電源を確保する訓練を視察する新潟県の花角英世知事(右)=14日午前(代表撮影)
2025年11月14日 18時15分