経済界、泊再稼働へ高まる期待=ラピダスで電力需要増、値下げも―訴訟など不確定要素・北海道



北海道の鈴木直道知事が、北海道電力泊原発3号機(同泊村)の再稼働を容認する姿勢を示した。道内では、先端半導体の量産を目指すラピダスの本格稼働などで電力需要の増加が見込まれ、経済界からは再稼働への期待は大きい。一方、泊原発を巡っては運転差し止めを求めた訴訟が審理中で、なお不確定要素がある。

「持続的な経済成長と脱炭素化の同時達成には、泊原発を最大限に活用することがとりわけ重要だ」。北海道経済連合会など道内8経済団体は9月、早期再稼働を求める要望書を鈴木氏に提出。その際、同連合会の藤井裕会長はこう訴えた。

2027年度を目標とするラピダスによる先端半導体の量産化が始まれば、北海道内の電力需要は大幅に増える見通しだ。道内ではこのほかソフトバンクや東急不動産などが大規模データセンターの建設を進めており、電力需給を調整する電力広域的運営推進機関は、30年度の道内の電力需要は24年度比で約12%増えると試算。再稼働すれば泊原発は旺盛な電力需要を支える基幹電源となる。

一方、北海道の電気料金は「日本一高い」とされ、道内の経済成長の阻害要因となっている。こうした状況を踏まえ、北海道電は10月、3号機の再稼働後には家庭用電気料金が11%程度引き下げられるとの見通しを公表。斎藤晋社長が鈴木氏を訪問して直接説明し、再稼働に理解を求めた。

ただ、再稼働を巡る課題は少なくない。泊原発の運転差し止めを求めた民事訴訟の審理が札幌高裁で進んでおり、原発の持続的活用に必要な「核のごみ」(高レベル放射性廃棄物)の最終処分場選定のめどは立たないままだ。

道内では寿都町と神恵内村が第1段階の「文献調査」を終えたが、知事の同意が必要な第2段階の「概要調査」への移行は不透明。鈴木氏は、処分場選定が「北海道だけの問題」になることを懸念し「現時点で反対」との立場を崩さない。核のごみの行き場がない「トイレなきマンション」の状態は依然続くとみられる。

〔写真説明〕ラピダスの最先端半導体工場=北海道千歳市

2025年11月29日 07時23分


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