
【北京時事】中国と北朝鮮の貿易が拡大している。2025年の貿易総額は前年比25.5%増の27億3500万ドル(約4400億円)と、6年ぶりに27億ドル台を突破。ただ、北朝鮮への国連制裁は続いており、貿易のさらなる拡大に向けたハードルは高い。
「中国は貿易や農業で実務協力を拡大する用意がある」。中国国営新華社通信によると、習近平国家主席は8日の金正恩朝鮮労働党総書記との会談でこう表明した。
中国貿易統計によると、両国の貿易は13年に約65億ドルとピークを迎えた。だが、17年の国連制裁強化で北朝鮮産石炭や鉄鉱石の国際取引が禁止されると激減。コロナ禍で北朝鮮が国境を封鎖した後の21年には、3億1800万ドルと記録的低水準になった。その後回復基調にあるものの、「かつての貿易規模に戻るのは考えにくい」(北京の韓国メディア関係者)との見方が大勢だ。
取引品目も変化した。25年は低単価のかつらや付けまつげが中心で、かつて主力だった石炭は消えた。
中朝は今回の首脳会談で、観光を含む人的交流の拡大でも一致した。ただ、海外からの情報流入を強く警戒する北朝鮮にとって、中国人観光客の受け入れは、外貨獲得と政権の不安定さにつながるリスクをともにはらむ「もろ刃の剣」だ。中国人旅行者の大規模受け入れが進む可能性は低い。
〔写真説明〕中国の習近平国家主席(左)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記=2025年9月、中国・北京(AFP時事)
2026年06月09日 20時46分