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凍り付いた原発政策=刻まれた不信感、再稼働遠く―東日本大震災10年



東日本大震災が引き起こした東京電力福島第1原発事故で、政府が半世紀にわたり推進してきた原子力政策は凍り付いた。震災前には54基の原発が稼働していたが、事故で刻み込まれた国民の強烈な不信感を背景に、震災から10年が経過しても地元住民の同意を得て再稼働したのは9基にとどまる。次期エネルギー基本計画では、主力電源と位置付けられてきた原発の在り方が問われることになる。

「ビーーー」。除染作業が進み、敷地内の96%では一般的な作業服で立ち入れるようになった福島第1原発。しかし、記者が原子炉建屋を見下ろすエリアに数十分いると、測定器が甲高い機械音を鳴らし、放射線量が高いことを知らせた。

原発の再稼働が停滞する最大の要因は、10年を経ても解決しない事故の深刻さだ。原子炉建屋は鉄骨がむき出しで、津波で流された一部の重機は放置されたまま。作業員らの懸命の復興作業にもかかわらず、今なお事故が収束していないことを思い知らされる。

震災前、原発の発電量は国内全体の約3割を占めていた。それが福島の事故を経て一時ゼロまで低下。再稼働の進展に伴い2018年度には6%まで戻ったものの、現行のエネルギー計画で掲げる「30年度に20%」の目標達成は見通せない。

そればかりか、多くの原発は運転を再開しないまま原則40年の耐用年数を経過している。政府は震災後、原発の運転期間について、原子力規制委員会の認可を得れば最大60年間に延長できる仕組みを導入した。しかし経産省の見通しでは、新増設がなければ国内全原発(建設中を含む)を60年間運転しても、運転可能な原発は60年に8基にまで減少する。

政府は新増設について「想定していない」(梶山弘志経済産業相)と慎重な立場。同省幹部は「再稼働と安全運転の実績を積み上げることが重要。新増設の議論はその先だ」と話すが、現状では再稼働すら進まないのが実情だ。悩みながらも国策に協力し、原子力関連施設を受け入れてきた自治体からは「ブレない確固たる国家戦略として原子力発電推進を」(三村申吾青森県知事)との声も上がる。

菅政権は、温室効果ガス排出量を50年までに実質ゼロとする目標を掲げる。電力業界では、目標実現のためには「(発電時に温室効果ガスを排出しない)原発の新増設も必要」(電気事業連合会の池辺和弘会長)との見方が強い。

政府が年内にも策定する次期基本計画では、震災後あいまいにされてきた原発政策の方向性が改めて問われる。エネルギー政策に詳しい国際大大学院の橘川武郎教授(経営史)は、原発の新増設は難しいとの見方をした上で、再生可能エネルギーの普及を前提に、原発を主力電源とせず「50年の原発比率目標は0~10%にするのが現実的だ」と指摘した。

〔写真説明〕福島県双葉町に掲げられていた原発PRの看板。2015年に撤去され「東日本大震災・原子力災害伝承館」(双葉町)に展示される=14年2月21日 〔写真説明〕廃炉作業が進む東京電力福島第1原子力発電所。左から1、2、3、4号機=14日午後、福島県(時事通信チャーター機より)

2021年02月23日 16時57分


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