全米で暴動警戒、異例の就任式典＝早朝の首都、高まる緊張―新政権

【ワシントン、ニューヨーク時事】バイデン米新大統領の就任式当日の２０日、全米で抗議デモが暴徒化する不測の事態に備えて厳戒態勢が敷かれた。首都ワシントンでは前回の式典の約３倍となる２万５０００人の州兵が監視の目を光らせ、早朝から物々しい雰囲気に包まれた。晴天に恵まれたが人通りは少なく、祝賀ムードとはほど遠い。

紺色のコートに身を包んだバイデン氏は午前９時ごろ、就任式に向かう前にホワイトハウス近くのセント・マシュー大聖堂で礼拝に参列し、ジル夫人と共に新しい門出を祈った。大聖堂に入る際、バイデン氏は笑顔を見せたが、緊張した面持ちも時折見せた。

トランプ氏支持者らによる６日の議会襲撃を受け、首都中心部は鉄柵が張り巡らされ、主要な橋も封鎖された。国防総省は１９日、動員した州兵の身辺を調査し、１２人を任務から外したと発表。「内なる脅威」にも備える異例の対応は、米社会の深刻な分断を色濃く映し出している。

〔写真説明〕米大統領就任式を前に、国立公園「ナショナル・モール」に飾られた米国旗＝１８日、ワシントン（ＡＦＰ時事） 〔写真説明〕１９日、米ワシントンで、連邦議会議事堂周辺に設置された鉄条網付きの柵（ＡＦＰ時事）

2021年01月21日 00時15分

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