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中ロ首脳、実効性なき「対話」主張=利害一致の共同声明―ウクライナ巡り日米欧と溝



【北京時事】中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は21日、モスクワのクレムリン(大統領府)で会談し、ロシアの侵攻が続くウクライナ情勢を中心に話し合った。対米共闘や孤立回避、経済協力で利害が一致する両首脳は、中国が唱える「対話」による問題解決を主張。ただ、ウクライナ側の意向を取り込んでいない中国の「和平案」は実効性を欠き、対話が進む可能性は低い。

習政権は2月、ウクライナ問題を巡り「和平と対話」を重視する中国の立場を示した文書を発表した。具体策を盛り込まず抽象論にとどまるが、大国としての影響力を誇示したい習氏としては、和平案にロシアが同意することに意味があった。

両首脳はまた、エネルギーや物流分野における経済連携の強化で一致。中国は欧州に代わるロシアの資源輸出先となっており、プーチン氏にとっては経済を下支えする心強い支援と映る。

中ロは共同声明で、双方の主権や領土の一体性をはじめとする「核心的利益」をお互いに支持すると強調。ロシアは中国のウクライナ問題に対する「客観的で公平な立場」を、中国はロシアの「和平交渉の早期再開」への努力を評価した。

声明はさらに、「一方的な制裁」や「覇権主義と強権政治」への反対を標ぼうし、米欧など西側主導の国際秩序への対抗姿勢を明確にした。西側諸国が懸念する中国によるロシアに対する武器供与への言及はなかった。

ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、中国はウクライナ独自の和平案への立場を明らかにしていないと指摘。同日には岸田文雄首相が首都キーウ(キエフ)でゼレンスキー氏と会談した。西側に対抗して接近する中ロと、ウクライナ支援を継続する日米欧との溝が鮮明になった。

習氏としては、大国外交をアピールする機会に水を差された形で、共産党機関紙・人民日報系の環球時報は岸田氏の行動を「G7(先進7カ国)内での孤立を恐れた」などと酷評した。

習氏はゼレンスキー氏と電話などで会談する計画と伝えられているが、日程は明らかになっていない。一方で、習氏はプーチン氏の年内訪中を招請。国際刑事裁判所(ICC)が戦争犯罪の疑いでプーチン氏に出した逮捕状を無視した形だ。

習氏は20、21両日に一対一の夕食会や少人数会合などでプーチン氏と会談。22日に訪ロ日程を終えて帰国の途に就いた。

〔写真説明〕21日、モスクワで、共同声明の署名式に臨み握手する中国の習近平国家主席(左)とロシアのプーチン大統領(EPA時事)

2023年03月22日 18時35分


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