
高市早苗首相は7日の衆院予算委員会で、生活保護基準を引き下げた国の対応を違法とした6月の最高裁判決を受け「深く反省し、おわびしたい」と述べた。判決後、政府が謝罪するのは初めて。立憲民主党の長妻昭氏への答弁。厚生労働省は7日、専門委員会に原告らへの追加支給に向けた案を提示した。原告側は減額分の全額支給を求めているが、一部補償とする方向で調整する。
同省は早ければ月内にも支給額を決め、来年度予算案に反映させることを目指す。
判決では、物価の下落率を根拠として2013~15年に生活保護費を引き下げた「デフレ調整」について、専門家の議論を経ていないと指摘。厚労相の判断に裁量の逸脱、乱用があったとして、違法と結論付けた。
追加支給案は、生活保護基準について、生活保護世帯と低所得世帯との格差を是正する「ゆがみ調整」や、総務省の全国家計構造調査を基に算出する方向性を示した。引き下げ前の基準との差額を全額支給すると、低所得世帯の消費水準を上回ることから、一部補償にとどめる考えだ。今後、専門委で具体的な支給額を検討する。
〔写真説明〕衆院予算委員会で、生活保護基準を引き下げた国の対応を違法とした最高裁判決を受けて謝罪する高市早苗首相=7日午後、国会内
2025年11月07日 19時41分