
自民党の派閥裏金事件に関与した佐藤啓官房副長官(参院議員)に対し、野党内で7日、参院への問責決議案提出を求める声が浮上した。高市早苗首相は続投させる構えだが、事前に「裏金議員」の起用反対を伝えていた参院野党は強く反発。参院自民にも積極的な擁護の動きは見られない。
立憲民主、国民民主、公明、参政、共産5党の参院国対委員長は7日の会談で、佐藤氏の起用を認めない立場を改めて確認。立民の斎藤嘉隆国対委員長は記者団に「問責を検討するとの意見もあった」と明らかにした。
佐藤氏について、野党は参院議院運営委員会理事会への「出入り禁止」を続けている。政務担当の副長官は、首相官邸と国会のパイプ役が重要な任務。問責決議案に法的拘束力はないものの、仮に可決すれば、佐藤氏の続投は極めて厳しくなる。
佐藤氏が機能不全に陥りつつある中、斎藤氏は「『政治とカネ』の問題で、首相に真相究明の意思が見られない」とも指摘した。国民民主党の榛葉賀津也幹事長は記者会見で「けじめをつけるなり、しっかり対応したい」と強調。共産党の山添拓政策委員長は「代えるべきだ」と断じた。
一方、自民幹部は「臨時国会中は解決できない」と諦め気味に語った。
〔写真説明〕記者会見する佐藤啓官房副長官=6日、首相官邸
2025年11月07日 20時31分