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岸田氏「発信力」強化に懸命=「ポスト安倍」へ巻き返し



自民党の岸田文雄政調会長が課題の「発信力不足」を克服しようと懸命だ。「ポスト安倍」の有力候補と目される岸田氏だが一般からの人気は伸び悩み、「次の首相にふさわしい人」の世論調査では石破茂元幹事長に水をあけられている。9月に想定される内閣改造・党役員人事を前にメディアへの露出度を増やすなど、巻き返しを図っている。

「やりたいことを三つ言っている。新しい資本主義、デジタル田園都市、ソフトパワー外交」。岸田氏は8月に入り、テレビ番組出演やインタビューに積極的に応じている。自らの「政権構想」の一端を披露し、岸田カラーのアピールに余念がなく、9月には自身の基本政策をまとめた著書の出版を予定。被爆地広島が選挙区であることを踏まえ、核軍縮・不拡散をテーマにした書籍も企画中だ。

「踏み込み不足」と言われてきた発言にも変化が出始めた。広島地裁が政府による援護対象区域外の原告を被爆者と認めた「黒い雨」訴訟判決を受け、3日の記者会見では対象区域について、「範囲の拡大はしっかり求めていかなければならない」と断言。21日には岸田派若手議員が広島市で開く勉強会で講演し、足場固めも図る。

だが、党内からの岸田氏への視線は厳しさを増す。新型コロナウイルス対策の給付金をめぐっては、岸田氏が中心となってまとめた減収世帯への30万円支給案が世論の猛反発を浴び、二階俊博幹事長や公明党の主導で国民一律10万円給付に急転換。岸田氏の調整手腕に疑問符が突き付けられた。

安倍晋三首相の選択肢には岸田氏への政権「禅譲」もあるとされる。しかし、岸田氏の評価が上向かない中、ある党幹部は「次が岸田氏でいいのか、首相は悩んでいる」と明かす。首相は月刊誌「中央公論」インタビューで、指導者に必要な資質に「情熱」を挙げた。岸田氏を念頭に奮起を求めたとみられる。

当面の焦点は内閣改造・党役員人事での岸田氏の処遇。岸田氏は幹事長就任に意欲を見せ、岸田派中堅議員も「天下取りへのステップとして、幹事長は絶対に経験するべきだ」と指摘する。ただ、二階氏は幹事長続投に強い意欲を表明。内閣の要の菅義偉官房長官も二階氏を後押しする姿勢をにじませており、岸田氏の思いが首相に通じるかは見通せない。

〔写真説明〕インタビューに答える自民党の岸田文雄政調会長=4日、東京・永田町の同党本部

2020年08月11日 14時20分


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