下村氏審査日程で駆け引き＝自民、幕引き急ぎ１５日主張―与野党

自民党派閥の裏金事件を受けた衆院政治倫理審査会の日程を巡り、与野党が１３日、駆け引きを繰り広げた。幕引きを急ぎたい自民は下村博文元政調会長の弁明・質疑を１５日に行うよう主張。立憲民主党など野党は来週１９日の実施を求め、出欠を明確にしない衆院議員４５人の出席要求も強めた。

衆院政倫審の与党筆頭幹事を務める丹羽秀樹氏（自民）は１３日、野党筆頭幹事の寺田学氏（立民）と会談し、下村氏の審査を遅らせる理由はないとして１５日開催を提案。寺田氏は準備期間を置くのが通例だと反論し、協議は物別れに終わった。丹羽氏は記者団に「（野党の意見は）全く分からない」と批判した。

自民が週内実施にこだわるのは、１４日の参院政倫審に続き、１５日に衆院政倫審にも区切りを付けることで、１７日の党大会を機に局面転換を図りたいと考えているためだ。１５日は参院予算委員会で集中審議も予定されており、世論やメディアの関心が分散するとの計算もある。

これに対し、立民などは裏金問題を長引かせるのが基本戦略。１４日の衆院政倫審の幹事懇談会で審査日程を改めて協議するが、「譲歩するのは自民」と強気だ。野党が政倫審出席を求める衆院議員５１人のうち、既に出席した５人と下村氏を除く４５人の出欠意向調査に自民が後ろ向きなことから、立民は１３日、審査申し立ての議決を目指す方針も明らかにした。

立民の安住淳国対委員長は記者団に、衆院政倫審の週内開催を言い立てる自民を「姑息（こそく）だ」と非難。審査申し立ての議決に向け「公明もまさか（自民議員を）隠すのに手を貸さないだろう」とけん制した。共産党の田村智子委員長は記者会見で「自民の事情で（政倫審を）やるのか」と反発した。

〔写真説明〕参院予算委員会で質問を聞く岸田文雄首相＝１３日午後、国会内

2024年03月14日 07時13分

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