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楽観一転、幕引き急ぐ=政府、「桜を見る会」批判に危機感



政府が来年度の「桜を見る会」を中止したのは、閣僚辞任が相次ぎ、この問題を長引かせれば、政権基盤が揺るぎかねないとの強い危機感があったためだ。政府内では当初、楽観的な見方が強く、安倍晋三首相も中止に慎重だった。しかし、批判の矛先が首相に向かったことで、菅義偉官房長官が首相を説き伏せ、一気に中止発表へ流れをつくった。

野党がこの問題を本格的に取り上げたのは、8日の参院予算委員会。桜を見る会に首相の後援会関係者が多数招待されているのではないかとの追及に、首相は「招待者は内閣官房と内閣府で最終的に取りまとめをしている。私は関与していない」と答弁した。

当初、政権側の危機感は薄かった。旧民主党政権も桜を見る会を開催していたため、「ブーメランを恐れて本気で攻めて来ない」(自民党幹部)とみていた。実際、8日の質疑後も政府内からは「今ごろ桜だなんて季節外れもいいところだ」(高官)と冷ややかな声が漏れていた。

ところが、ワイドショーやインターネット交流サイト(SNS)でこの問題が盛んに取り上げられると、楽観ムードは一変。菅氏が12日に開催要領の見直しに言及したが批判はやまず、13日には首相の事務所が地元支援者に送付していた案内状の存在が明らかになり、潮目が変わった。

菅氏は同日午後の記者会見で、内閣官房が長年、首相らに招待客の推薦を依頼していたことを認め、来年度の開催中止を発表した。約5時間前の午前の会見では「『首相枠』という特別なものはない」と強調していたが一転した。

内閣府は2020年度予算の概算要求に、桜を見る会の経費として約5700万円を計上しており、年明けの予算審議でも野党が引き続き追及するのは必至。関係者によると、首相は来春も例年通り実施することにこだわっていたが、菅氏が「一度立ち止まって見直しましょう」と提案すると、受け入れたという。

「官房長官が説明した通り。私の判断で中止することにした」。菅氏による中止発表から約2時間後、首相は記者団に短く答えただけで、首相官邸を後にした。野党は予算委員会の集中審議を要求しているが、与党は応じない構え。自民党幹部は14日、「桜は散ったらおしまいだ」と幕引きを宣言した。

〔写真説明〕官邸に入る安倍晋三首相=14日午前、東京・永田町 〔写真説明〕安倍晋三事務所の「桜を見る会」の案内(一部画像処理しています)

2019年11月14日 19時40分


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