
「1票の格差」が最大3.13倍だった7月の参院選は投票価値の平等に反し違憲だとして、升永英俊弁護士らのグループが選挙無効を求めた訴訟の判決が7日、仙台高裁であり、石垣陽介裁判長は「違憲状態」と判断した。選挙無効請求は棄却した。
二つの弁護士グループが全国14の高裁・支部に起こした計16件の訴訟で10件目の判決。これで「違憲状態」は6件、「合憲」は4件となった。
最高裁は最大格差が3.03倍だった2022年の前回参院選を合憲としていた。
判決で石垣裁判長は、人口減少が進む中、格差のさらなる拡大が懸念されるとして「投票価値をできる限り平等に近づけなければならない」と指摘。国会で是正に向けた具体的な動きは見られず、3倍超の格差は「著しい不平等状態に立ち至っている」と判断した。
一方で、今回の参院選までに格差が是正されなかったことが国会の裁量権の限界を超えるものではなく、違憲とは言えないとした。
判決後に仙台市内で会見した升永弁護士は「(人口比例に基づく)1人1票の原則を求める画期的な判決だ」と強調した。
〔写真説明〕7月参院選の「1票の格差」を巡る仙台高裁の判決後、「違憲状態」などと書かれた紙を掲げる升永英俊弁護士(中央)ら=7日午後、仙台市青葉区
2025年11月07日 18時22分