「医学の重要性認識を」=ノーベル賞坂口さんが公式会見



【ストックホルム時事】今年のノーベル生理学・医学賞を受賞する大阪大の坂口志文特任教授(74)が6日午後(日本時間同日夜)、スウェーデン・ストックホルム近郊のカロリンスカ研究所で公式記者会見を行い、「受賞をきっかけに、社会が医学研究などの重要性を認識してくれることを願っている」と述べた。

共同受賞者2人と共に会見に臨んだ坂口さん。自らの研究を振り返り、1995年に過剰な免疫を抑制する「制御性T細胞」の目印となる分子を発見したことを挙げ、その後に「実際の疾患や臓器移植、がん免疫における(同細胞の)重要性を明らかにしていくのはある種の楽しさがあった」と話した。

今後の展望については「臨床応用としては初期段階で、新たな治療法などを開発するには時間がかかる」と指摘。それでも「いつか制御性T細胞を用いた治療が、さまざまな疾患やがんなどで現実のものになると楽観的に考えている」とした。

共同受賞者のメアリー・ブランコウ博士は坂口さんについて「この分野で何十年にもわたり貢献してきた」と強調。フレデリック・ラムズデル博士は「私たちが成し遂げたことの全ての基盤となる発見だった」とたたえた。

〔写真説明〕記者会見するノーベル生理学・医学賞に選ばれた大阪大の坂口志文特任教授=6日、ストックホルム近郊 〔写真説明〕記者会見するノーベル生理学・医学賞に選ばれた大阪大の坂口志文特任教授(左)=6日、ストックホルム近郊

2025年12月07日 10時02分


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