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津波予見可能性、どう判断=旧経営陣、全面対決-東電公判19日判決・東京地裁



東京電力福島第1原発事故で業務上過失致死傷罪に問われた元会長勝俣恒久被告(79)ら旧経営陣3人の判決が19日、東京地裁(永渕健一裁判長)である。検察官役の指定弁護士側が「何一つ安全対策をしなかった」と法定刑上限の禁錮5年を求刑したのに対し、弁護側は「事故は防げず、無罪」と全面対決。原発を襲った巨大津波は予見できたのか。地裁がどう判断するかが最大の焦点だ。

東電は事故3年前の2008年3月、政府機関の地震予測「長期評価」を基に予想津波高を計算。「最大15.7メートル」の津波が第1原発に到達すると算出した。

17年6月に始まり、計37回開かれた公判では、同原発の敷地高(約10メートル)を超える算出結果は08年6月に原子力・立地本部副本部長だった元副社長武藤栄被告(69)に報告され、翌月、再度報告を受けた武藤副社長が部下に「研究を実施しよう」と発言したことが明らかになった。

勝俣元会長は09年2月の社内会議で、「14メートル級の津波が来るという人もいて」との幹部の発言を耳にし、原子力・立地本部長だった元副社長武黒一郎被告(73)が同年春、この幹部から算出結果の説明を受けたこともつまびらかにされた。

指定弁護士側は「敷地高を超える津波予測を聞いた時点で、自ら情報収集し、安全対策を進める義務が生じた」と主張。武藤副社長については、「研究実施」と聞いた部下が「対策を先送りにされた」と証言したなどと厳しく非難し、武黒元副社長も先送りを知っていたとした。

これに対し弁護側は、3人が報告を受けた経緯を認めつつ、「津波高は試算にすぎない。対策が必要なら追加報告があったはずだが、何も聞いていない」と反論。「研究」発言についても「先送りではない。研究で専門家の意見を聞くのは合理的判断」と反発した。

指定弁護士側、弁護側は、巨大津波予測の根拠となった長期評価の信用性をめぐっても激しく対立。信用性が否定されれば、「最大15.7メートル」の津波高の信頼性も大きく揺らぐ。この点は、証人として出廷した専門家ら間でも見解が割れており、地裁の判断が注目される。

〔写真説明〕勝俣恒久

東京電力元会長 〔写真説明〕武藤栄

東京電力元副社長 〔写真説明〕武黒一郎

東京電力元副社長

2019年09月14日 14時59分


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