田中容疑者、理事辞職拒否＝解任決議を可決―日大

所得税法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕された日本大学前理事長の田中英寿容疑者（７４）が、理事職の辞職を拒否していたことが３日、関係者への取材で分かった。これを受け日大は同日の定期理事会で、同容疑者の理事職解任決議を可決した。

関係者によると、田中容疑者は理事長を辞任する一方、理事職の継続を希望。１日開かれた臨時理事会は紛糾し、加藤直人学長を除く理事全員が辞任届を出し、田中容疑者にも理事の辞任届を出してもらうことが決まった。

しかし、同容疑者が辞任届の提出を拒否したため、３日の定期理事会で解任決議に至ったという。日大の規約では、理事の４分３以上が賛成すれば解任できる。

日大は３日、ホームページで１日の臨時理事会の決定事項を公表。田中容疑者の理事長辞任申し出受け入れや加藤学長の理事長兼務、大学付属病院をめぐる二つの背任事件での被害届提出などで、全理事が辞任するものの、新体制成立までは職務を継続することも明らかにされた。

「もっとも重要なことは体制変革と信じ、抜本的な改善施策を断行する」とのコメントも記した。記者会見も開催するとしたが、準備中で日時は未定という。

〔写真説明〕日大の田中英寿前理事長＝２０２０年撮影

2021年12月03日 18時06分

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