日大重量挙げ部の監督歴20年超「絶対的存在」=部員やコーチ逆らえず―難波容疑者



日本大重量挙げ部元監督の難波謙二容疑者(63)は、20年以上同部を率い、五輪出場選手を複数輩出するなど名指導者として知られた。兼任する教授としての評判は良く、学生の人気も高かったが、部内ではコーチらも逆らうことができない「絶対的存在」だったとされる。

難波容疑者は日大卒業後、山形県で中学校の教員となり、2000年4月に同部監督に就任。その後、同大生物資源科学部の教授も兼任した。同大の元教員は「学生たちに親切で、対等な立場で向き合う先生として人気はあった」と話す。

ただ、部内では別の一面もあったとみられる。不正徴収額の返還を求める民事訴訟で、日大は難波容疑者について、「部に長年君臨する絶対的な存在で、コーチ、部員は逆らえない状態だった」と指摘。奨学生の保護者らから集めた資金のうち、毎年約700万円を現金で受け取っていたと訴えた。

学内外から「日大のドン」と恐れられた故田中英寿元理事長と近い関係にあったとし、「異例の早さで教授に出世したとうわさされた」とも言及した。

複数の元部員は取材に対し、「カリスマ的な感じ。運動部の監督の中でも年配で顔が利く。権力者だったと思う」「コーチは監督にペコペコしていた」と話した。

訴訟で難波容疑者は、12年度から5年間重病を患い、練習に顔を出すのも難しい状況だったと主張している。

〔写真説明〕日本大学会館(本部)=東京都千代田区 〔写真説明〕日本大重量挙げ部元監督の難波謙二容疑者(日本大学校友会会報誌より) 〔写真説明〕警視庁品川署に移送される日本大重量挙げ部元監督の難波謙二容疑者(左)=10日、東京都品川区

2025年06月11日 13時49分


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