
大相撲九州場所を前に現役を退き、年寄「北陣」を襲名した元小結遠藤(35)=本名遠藤聖大、石川県出身、追手風部屋=が9日、福岡市内で記者会見し、「いい思い出ばかりで例えようがない。本当に充実していた」と12年余りの力士人生を穏やかな表情で振り返った。今後は部屋付き親方として後進の指導に当たる。
スピード出世に髪が伸びるのが追い付かず、ざんばら髪で活躍して角界屈指の人気を集めた中、両膝のけがとの闘いが続いた。「自分で決断して道を選んできた。その道から逃げない」。7月に右膝、9月に左膝の手術に踏み切り、「もう一度、土俵に戻るつもりでリハビリをしていたが、気持ちが少しずつ変わってきた」と率直に言った。
不祥事で低迷していた大相撲人気の回復に大きく貢献。「鳥肌の立つような声援をいただいた。最後の最後までもう一度、あの歓声を聞くんだ、という気持ちで土俵に向かっていた」とファンへの感謝の思いを述べた。
【時事通信社】
〔写真説明〕引退会見する元小結の遠藤=9日、福岡市
2025年11月09日 15時43分