
信念とする下からの攻めを貫き、若隆景が4年ぶりに賜杯を抱いた。3敗同士の決定戦でぶつかった霧島を厳しい内容で破った直後の勇ましい表情は、さらに上を目指すという決意表明にも映る。
「一番一番、自分らしい相撲を取るために集中して土俵に上がった。それがよかった」。本割、4敗だった藤凌駕を肩透かしで難なく仕留めて戻った支度部屋。結びで相撲を取る霧島の結果を待つ間も顔つきは変わらず。高い緊張感を保ち続け、2度目の優勝を果たした。
11日目に敗れた霧島との雪辱の舞台は、低い姿勢で鋭く当たると、相手を起こして一気に押し出した。「悔いの残らないように良い相撲を取りたかった」と淡々。少しだけ表情が緩んだのは、家族の話に及んだ時だ。「きょうの朝、子どもたちに優勝してねと言われていた」と明かした。
2023年に右膝を大けがし、幕下まで転落。つらいリハビリ期間を家族に支えてもらい、復活を遂げた。千秋楽の取組を国技館で見守った妻の沙菜さんは送迎などでサポート。夫人は「脚が使えない時は座ったまま、腕の筋トレをしていた。ずっと努力していた。よかった」と喜んだ。
大関昇進の足掛かりをつくった。看板力士の座を見据え、若隆景は「そこに向けてやっていく」と力強く言う。2横綱2大関が不在の場所。これ以上ない存在感を示し、新たな高みに突き進む。
【時事通信社】
〔写真説明〕優勝決定戦で霧島を破り、優勝を決めた若隆景=24日、東京・両国国技館
2026年05月24日 20時49分