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シドニー五輪、二重のウイニングラン=高橋尚子と小出監督―五輪・金メダル1号物語



1928年に陸上の人見絹枝が日本の女子選手として初めて五輪(アムステルダム大会)に出場し、800メートルで銀メダルを獲得してから72年。2000年シドニー五輪の女子マラソンで、高橋尚子が陸上女子日本勢初の金メダリストになった。

メインスタジアムで優勝テープを切った28歳のヒロインを、8万5000人の大観衆が祝福した。男子を含めても陸上の日本選手では64年ぶりとなる「金」。所属先の小出義雄監督と二人三脚でたどり着いた栄冠だった。

観客席から小出監督が「Qちゃーん」と声を張り上げた。だが、大歓声の中で高橋は気付かず、ウイニングランを開始。すると監督はコンコースに行き、トラックと同じ反時計回りに走りだした。

「この日を待っていたんだ!」と叫び、走る走る。61歳とはいえ、順大時代に箱根駅伝を経験した元ランナーの走りは軽快だ。スタジアム内をほぼ1周してから、報道陣の取材ゾーンへ。高橋は満面に笑みを浮かべた。

小出監督が「よくやったな」と抱き寄せる。ゴールからそう時間はたっていなくても、長く感じたのか。高橋は「監督、会いたかったです」。一筋の涙が頬を伝わった。

金メダルを目指し、米コロラド州ボルダーで高地トレーニングを積んだ。樹木も生えていない標高3300メートル付近で猛練習したことも。小出監督がホットなエピソードを明かした。前日、高橋が「監督、練習中は後ろに向かって逃げちゃおうかな、と思っていました」と打ち明けたという。「(練習では)追い詰められた状態だったんだろうね。よく頑張ったよ」

かつての教え子、有森裕子は92年バルセロナ五輪で人見以来となる陸上女子のメダル(銀)を獲得し、96年アトランタ五輪でも銅。名伯楽は「お天道様のご褒美。土台ができたから、(高橋を)一番高い所に導いてくれた」と感慨に浸った。

【時事通信社】 〔写真説明〕女子マラソン優勝から一夜明け、記者会見で小出義雄監督(右)に金メダルをかける高橋尚子=2000年9月25日、シドニー

2020年06月05日 07時15分


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