返り入幕で快進撃＝充実の熱海富士―大相撲秋場所

熱海富士は充実した表情を浮かべて花道を引き揚げた。元大関の高安との１敗対決を制して単独トップに。返り入幕での快進撃に支度部屋では満面の笑み。２１歳は何度も「勝ってよかった」と繰り返し、喜びをかみしめた。

初顔合わせに「何をしてくるか分からない。落ち着いていこうと思った」。しっかり当たり、高安が引いた瞬間を逃さず、右で豪快に押し倒す。真っ向勝負での快勝だった。

静岡・飛龍高から伊勢ケ浜部屋に入門して順調に出世。初土俵から所要１２場所で、昨年１１月の九州場所で新入幕を果たし、大きな期待を寄せられたものの、４勝１１敗とはね返された。その苦い経験を糧に自身の相撲を地道に磨いてきた。兄弟子の横綱照ノ富士からも助言をもらい、「慌てないでやることができている」。

１１日目は返り小結の翔猿との一番が組まれた。役力士に挑むのは初めてだが、「緊張することはない。一番一番、やるだけ」。成長を続ける有望株が、混戦模様の場所を盛り上げる。

【時事通信社】 〔写真説明〕熱海富士（左）は高安を押し倒しで破る＝１９日、東京・両国国技館

2023年09月19日 21時10分

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